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[韓国語] 「パンマル便利帳」を見てみると・・・

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 初期の韓国語テキストは例外なくといっていいほどハムニダ(합니다 )体でした。その後ヘヨ(해요)体に重点をおいたテキストが出てきた時はちょっと新鮮な印象を受けたものです。

 そして最近、上の画像のようなパンマル(ぞんざい語)の本も登場しました。「最近」といっても奥付を見ると2014年5月発行ですが・・・。
 なにはさておき、中を見てみましょう。
      
 こうした軽いあいづち等は会話ではよく使うのに、ふつうのテキストにはあまり載っていませんね。最近は増えてきているのかな? 野間秀樹「Viva!中級韓国語」にあったなー。

      
 に計6ページも充てているところはいかにも韓国語らしいところ(笑)。
 ※悪口だけではないですが、四方田犬彦・金光英実「ためぐち韓国語」(平凡社新書)や辛淑玉「愛と憎しみの韓国語」(文春新書)にいろいろ載ってますね。
 しかし「気は確か?(제정신이야?)」とか「バカじゃないの?(너 바보니?)」なんてまず実際に使うことがあるとは思えません(笑)。私ヌルボ、ずいぶん前に何かの本で「길을 걸어가는 멍멍이도 그 정도는 알 거야.(道を歩いているワン公でもそのくらいは知ってるぞ)」という表現を知っていつか使ってやろうと思いましたが、10年以上(?)そんな機会はなく今に至っています。
 ・・・ではありますが、悪口等も含めてパンマルはドラマや映画ではフツーですから、知っているとゼッタイ便利でしょう。
   この「韓国語パンマル便利帳」の構成について。
 第1章「初めまして」、第2章「仲良くなる」以下、→「一緒に出かける」→「連絡をとる」→「トラブル」→「恋愛」といった章立てになっています。仕事関係が全然ないじゃないの!? 「○○課長、ホントにうざいんだよねー」とか、「今度入ったヤツ、ナマイキだな」とか・・・。あ、悪口モードになってる(笑)。
 しかし、一応初対面→親しくなって・・・→恋愛&結婚!といった時系列に沿って進んでいくようになっています。
 私ヌルボがオモシロイと思ったのは最後の「恋愛」の章の小項目の順序(→右画像。) 「ヤキモチをやく」→「疑惑」→「浮気」→「別れる」とアリャリャ!の展開でこの先どうなるのかと思ったら→「仲直り」→「プロポーズ」と進んであっさりハッピーエンド。 著者が女性(鄭惠賢さん)だから女性の立場からの内容になっている?
 男性のセリフでも「君のことで頭がいっぱいだ。(머릿속에 온통 너뿐이야.)」とか「僕の気持ちを受け取ってくれる?(내 마음을 받아 줄래?)」等が載っていますが、私ヌルボ、これらは死ぬまで口にすることはないと断言できます!
 「この酒なかなかいけるねー」とか「最近体がいうことをきかなくなってダメだよ」という言葉を集めたオジサン用パンマル本なんて出ませんかねー。・・・出ないだろうな(笑)。

キネ旬ムック「韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史」は、たしかに現代韓国の社会と歴史が学べる

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 <韓流時代劇ムックで学ぶ朝鮮王朝の歴史>(→コチラ)という記事を書いてからもう5年ちょっと経ちました。
 そこで紹介した3冊のムックは、その後必ずしも毎年新版が出ているわけでもありませんが、韓国ドラマファンの固定層は相当いるし、とりあえずは同じようなムック等が出なくなることはなさそうです。
 一方、韓国映画の現在はというと、2000年頃からの5、6年間の熱気が影をひそめてそのまま10年経ってしまった、という感があります。
 そんな中、キネマ旬報社が「韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史」というムックを最近刊行(12月28日発売)したことは、韓国映画ファンとしてうれしいことです。(はたしてキネ旬は採算が取れると見込んでいるのでしょうか??)

 そこでさっそく購入して目を通してみました。
 構成は、大きくとに分けられています。

 といっても、古代からではなく、1910年からの近現代史に限っています。
 [Ⅰ 1910~45年]=日本の統治期、[Ⅱ 1945~62年]=李承晩の独裁政権とその崩壊、[Ⅲ 1962~79年]=朴正煕の独裁政権、[Ⅳ 1979~93年]=全斗煥・盧泰愚政権と民主化闘争、[Ⅴ 1993~2015年]=民主主義体制 ・・・という時代区分は妥当なところでしょうが、金泳三の文民政権がスタートした1993年よりも第六共和国発足の1987年の方がいいのでは? もしかして政治的立場によって違う? 

 注意を要することは、各映画作品はそれが作られた年とは関係なく、そこに描かれている時代の順に配置されているという点。
 したがって、一番最初に紹介されているのは「爆裂野球団」(2002年公開)です。(下左画像)
      そして済州島4・3事件を扱った「チスル」(2013年公開)は1948年となっています。(上右画像)

 次にについての記事は10のテーマに分け、映画を通じて現代韓国の社会問題や社会の変貌等を論じています。
 「南北問題」「家族」「恋愛」「スポーツ」そして「やくざ」も含めてほぼふつうに思いつきそうなテーマが大半ですが、中で個人的に興味をもったのは「鉄道」の項目。(下画像) そういう切り口もあるのですね。

 この本の執筆者は、韓流関係・映画関係のライターや編集者、翻訳家、映画研究者(崔盛旭さんや鄭樺さん)といった人たちです。西村嘉夫さん、下川正晴さんといった韓国映画ではおなじみの方も・・・。以前北朝鮮拉致問題関係の集会でお見かけした東京新聞・五味洋治編集委員は「南北問題」について書かれています。
 こうした顔ぶれからも見当がつくように、書名通り「現代韓国の社会と歴史が学べる」ムックでした。
 少し残念なのは、とくに近現代に重点を置いた分、時代劇等の名作が載っていないこと。またの部の掲載作品は21世紀に入ってからの作品が大半で、ヌルボが好きな1970~80年代では「鯨とり」(1984年公開)の1作しか入っていません。韓国映画史上でも画期的な作品「風の丘を越えて/西便制」(1993年年公開)が載っていないのも悲しい・・・。

 最後にとても興味深かったのが、巻末に載っているこの本の監修者・執筆者・編集者計34人による。
 いやー、ずいぶん分散しています! 2人以上があげている作品は以下の12作品でした。1位=3点、2位=2点、3位=1点と換算して人数・点数の多いものから並べてみました。
 オアシス(4人・9点)・殺人の追憶(4人・9点)・八月のクリスマス(3人・8点)・サニー 永遠の仲間たち(3人・7点)・猟奇的な彼女(3人・6点)・ベテラン(3人・6点)・息もできない(3人・5点)・ほえる犬は噛まない(3人・5点)・子猫をお願い(2人・6点)・悪い男(2人・5点)・ペパーミント・キャンディー(2人・4点)・ディープ・ブルー・ナイト(2人・3点)
 こうしてみると、とくに意外なものはないですね。私ヌルボが2010年に書いた<★韓国映画ベスト20★>(→コチラ)の12位までと比べると、5作品が重なっています。ま、そんなとこでしょう。
 34人の中で、個人的に注目したのは次のお二方のベスト3。
       鄭樺(チョン・ジョンファ)さんは、昨年11~12月の<韓国映画1934-1959創造と開花>で「君と僕」「迷夢」等々についてとても詳しいトークをされた映画史研究者です。その方が「馬鹿たちの行進」を2位にしている点が「わが意を得たり」といったところです。(ヌルボのペスト20では20位。) また下川正晴さんは1980年代の佳作を観たことが韓国映画がすきになったという点、またそれらがアン・ソンギの主演作品であるという点もヌルボとまさに同じで共感を覚えました。
 ※現在書店で発売中の「正論」2月号に、「幻の朝鮮映画「授業料」と小学生作文にみる日本統治下のリアル」と題した下川正晴さんの記事が載っています。「嫌韓」色の濃い記事が多い「正論」ですが、これは一読に値する記事です。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月8日(金)~1月10日(日)]

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 1つ前のキネ旬ムック「韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史」についての記事(→コチラ)にも目を通して下さいマセ。

 昨年ちょうど100本の映画を(映画館で)観た私ヌルボですが、今年はまだ全然観ていません。昨年も最初に観たのは1月23日でした。一昨年は1月28日が最初。どうもこの時期、ちょっと忙しいのと、どうも観たい映画がなぜか少ないような・・・。
 観たい映画がとくにない場合どうするか? どうするかもなにも、観に行かないに決まってるでしょ、というのがふつうのジョーシキ人。ところが映画オタクの場合はいろいろ情報を集めては観に行く映画を無理やり(?)決めて出かけます。
 私ヌルボの情報源は、新聞の映画評(→毎日朝日日経読売)、「週刊文春」のシネマチャート(→コチラ)、<ぴあ映画生活>の「クチコミ満足度ランキング」(→コチラ)、そして<こんな映画は見ちゃいけない>(→コチラ)や<三角絞めでつかまえて>(→コチラ)等々のブログです。
 これらをあれこれ見ていると、なんか「これは観たい! 観るゾ!」という気になる作品が見つかってしまうのです。上映館を調べると、何ヵ月か前に近所のシネマジャック&ベティでやっていたことに気づいたりしたことも過去何度か・・・。それでもキネカ大森とか新百合丘とか下高井戸まで足を運んだりして・・・。ハハハ(泣笑)。

 1月16日から「殺されたミンジュ」が始まりますが、キム・ギドク監督作品はどうも抵抗感があるというか、観に行く時には覚悟みたいなものが必要なんですよねー。何日も経ってから「仕方ないから行くか」という感じ。
 まあ近場(桜木町)で「ブリッジ・オブ・スパイ」でも観てこようかな?

「朝鮮日報」1月8日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)  「ユース」
  老い、希望と諦めの共存★★★★
 「アーロと少年」
  20年の技術の集約体 ★★★☆
 「捕まえたら生きる」
  この映画、救うのは大変 ★★
 「ヘイトフル・エイト」
  貯水池の犬たち、西部へ ★★★★
 「私を忘れないで」
  記憶には値しない映画 ★★☆
 「ポイントブレイク」
  原作監督は怒り心頭か ★★
 「捕まえたら生きる」は韓国のアクション・コメディ。高校生4人組にカツアゲをくらった2人のドジ刑事がその4人組を捕まえるべく、追撃を始めるのですが・・・。タイトルの訳は他のサイトにならいましたが、「捕まえないと助からない」と訳した方がよさそう。他の5作品は下の記事中で紹介しています。なお、「貯水池の犬」とはタランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」の訳。その意味については→コチラ参照。/font>
           ★★★ Daumの人気順位(1月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①悪い国(韓国)  9.2(121)
②内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.2(553)
③JSA(韓国)  8.9(366)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  8.9(47)
⑤ラブ・アクチュアリー  8.9(666)
⑥エターナル・サンシャイン  8.8(521)
⑦トーク・トゥ・ハー  8.8(55)
⑧ピアノの森(日本)  8.7(152)
⑨内部者たち(韓国)  8.4(2716)
⑩フランス組曲  8.4(3)

 新登場の作品はありません。

     【専門家による順位】

①ヘイトフル・エイト  8.6(5)
②シチズン・フォー  8.2(5)
③今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
④ボーダーライン  7.8(6)
⑤ザ・ロブスター  7.6(6)
⑥アスファルト  7.5(4)
⑦リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑧スター・ウォーズ/フォースの覚醒  7.2(7)
⑨ユース  7.0(7)
⑩海街diary(日本)  7.0(6)

 ①と⑨の2作品が新登場です。
 ①「ヘイトフル・エイト」については後述します。
 ⑨「ユース」(仮)は、イタリアのソレンティーノ監督によるヒューマンドラマで、2015年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門の上映作。80歳を迎えて表舞台から退いたイギリス人の作曲家で元・指揮者のフレッド(マイケル・ケイン)は、親友の映画監督ミック、娘のレナと共にアルプスの高級リゾートホテルにやってきます。最後の脚本執筆に取り組むミックに対し、フレッドはそんな意欲はないようすで淡々と日々を過ごしています。そんなある日、エリザベス女王の使者という男が現れてフレッドの代表作を女王のために披露してほしいと持ちかけるのですが・・・。韓国題は「유스」。日本公開は4月16日です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月8日(金)~1月11日(日)] ★★★
         700万人超えの「ヒマラヤ」に代わりディズニーのアニメ「アーロと少年」が1位に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・アーロと少年 ・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・458,809 ・・・・・・・・・533,369・・・・・・・・・・4,004 ・・・・・・・・788
2(2)・・内部者たち ・・・・・・・・・・・・・12/31・・・・・・・・・・・384,467・・・・・・・・1,530,106・・・・・・・・・12,560・・・・・・・・・811
       :ジ・オリジナル(韓国)
3(1)・・ヒマラヤ(韓国) ・・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・374,927・・・・・・・・7,080,991・・・・・・・・・55,022・・・・・・・・・670
4(新)・・私を忘れないで(韓国)・・・1/07 ・・・・・・・・・・・231,118・・・・・・・・・・301,792・・・・・・・・・・2,452・・・・・・・・・556
5(3)・・HEROCK/シャーロック ・・1/02・・・・・・・・・・・・217,604・・・・・・・・1,160,137・・・・・・・・・・9,090・・・・・・・・・574
       忌まわしき花嫁
6(新)・・X-ミッション・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・152,857 ・・・・・・・・・187,171・・・・・・・・・・1,495・・・・・・・・・406
7(27)・・映画クレヨンしんちゃん・・1/07 ・・・・・・・・・・・・96,994・・・・・・・・・・116,835・・・・・・・・・・・・876・・・・・・・・・396
       オラの引越し物語~サボテン大襲撃~(日本)
8(5)・・モンスター・ホテル2・・・・・・12/24 ・・・・・・・・・・・・61,425 ・・・・・・・・1,452,317・・・・・・・・・10,642・・・・・・・・・342
9(新)・・ヘイトフル・エイト・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・53,037 ・・・・・・・・・・・65,305・・・・・・・・・・・・551・・・・・・・・・162
10(4)・・スター・ウォーズ・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・48,395 ・・・・・・・・3,232,210 ・・・・・・・・・28,007・・・・・・・・・261
       /フォースの覚醒
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ヒマラヤ」は700万人を超えました。800万人はなんとか超えそうな感じですが・・・。
 今回の新登場は1・4・6・7・9位の5作品です。
 1位「アーロと少年」は、ディズニーのファンタジー・アニメ。
もし2億5千万年前、隕石が衝突していなければ恐竜は絶滅しなかったはず。そんな仮定に基づいた物語。そこでは、文明と言葉を持つ恐竜たちが、言葉を持たない人間たちと共存しています。
タイトルのアーロは体こそ大きいが臆病な恐竜の名前。そのアーロが人間の少年スポットと出会い、
冒険を繰り広げます。韓国題は「굿 다이노」日本公開は3月12日です。
 4位「私を忘れないで」は、え、カズオ・イシグロ?と思ってしまいましたが、チョン・ウソンとキム・ハヌル共演によるロマンスです。ソグォン(チョン・ウソン)は、交通事故で過去10年間の記憶を失い、家族や友人どころか自分のこともよくわからない状態。ある日病院でそんな彼を見て涙を流す見知らぬ女性と出会います。ソグォンはその女性チニョン(キム・ハヌル)と共に過ごして新たな幸せを感じ、チニョンもまた幸せを感じます。しかし、少しずつソグォンの過去の記憶が戻し始めると、チニョンは心が揺らぎ始めます。記憶が全て戻った時、はたしてソグォンが自分を求めてくれるかどうか・・・。原題は「나를 잊지 말아요」です。
 6位「X-ミッション」は、キアヌ・リーブス主演の「ハートブルー」(1991)をリメイクしたクライム・アクション。FBI捜査官のジョニー・ユタ(ルーク・ブレイシー)が、ボーディ(エドガー・ラミレス)をリーダーとするエクストリーム・スポーツ(サーフィンやスカイダイビング)仲間(実は犯罪者集団)に加わって潜入捜査をすることになりますが・・・。韓国題は「포인트 브레이크」。日本公開は2月20日です。
 7位「映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~」は、
日本では昨年4月公開。「初めて春日部を離れ、なんとメキシコに移り住む」ということで、私ヌルボ、韓国版しんちゃんのチャング(짱구)はどこに住んでいるのかちょっと調べたところ、떡잎마을つまりであることが判明しました。それにしてもタイトルが長い! 韓国題も「짱구는 못말려 극장판: 나의 이사 이야기 선인장 대습격」です。
 9位「ヘイトフル・エイト」は、アメリカのサスペンス。あのタランティーノ監督による密室ミステリーです。舞台は真冬の山のロッジ。そこで殺人事件が発生するのですが、そこに閉じ込められた男女8人が何かワケありで、全員嘘をついていた? 彼らの話や身振り等から事件の真相が次第に明らかになっていきます・・・。韓国題は「헤이트풀8」です。日本公開は2月27日。これはおもしろそうなフンイキ。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ユース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・14,046・・・・・・・・・・・・19,266 ・・・・・・・・・・・・152 ・・・・・・・・・64
2(1)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・4,297・・・・・・・・・・・・70,201 ・・・・・・・・・・・・565 ・・・・・・・・・37
3(5)・・ラスト・タンゴ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/24・・・・・・・・・・・・・・・985・・・・・・・・・・・・・5,145 ・・・・・・・・・・・・・40 ・・・・・・・・・18
4(3)・・エターナル・サンシャイン・・・・2005/11/10・・・・・・・・・・・・・・・949 ・・・・・・・・・・490,043・・・・・・・・・・・3,729 ・・・・・・・・・・9
5(6)・・トーク・トゥ・ハー・・・・・・・・・・・・2005/11/10・・・・・・・・・・・・・・・618・・・・・・・・・・・・・5,328・・・・・・・・・・・・・・40 ・・・・・・・・・12

 1位「ユース」が新登場ですが、これについては上述しました。

[韓国語] で秘密パーティー? 安さんの家、じゃなくて・・・。その歴史をたどる

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 12日(火)の記事のコメントでno_tenkiさんが教えて下さった「内部者たち」に関する<メディア・オヌル>の1月12日の記事(→コチラ)はなかなか興味深く、関連記事もいくつか読んでみました。
 「内部者たち」は、人気TVドラマ「未生」や映画「黒く濁る村」の原作者でもある漫画家ユン・テホ原作の映画で、韓国で昨年11月19日に公開されてから現在まで観客動員数700万人を超える(「内部者たち ジ・オリジナル」(ディレクターズ・カット版)と合わせると900万人近く)ヒット作になっています。内容は、大統領候補の政治家、未来(!)自動車会長、有力紙・祖国日報の論説主幹という政界・財界・巨大メディアの黒い三角同盟を相手にヤクザとコネもなく将来の展望のない検事が闘う物語です。

 上記の記事と関連していくつかの記事を探して読んだ中で、同じく<メディア・オヌル>の「「内部者たち」が「ベテラン」より優っている」と題した記事(→コチラ)があります。
 で、その記事の中で目にとまった言葉がありました。(ここから本論。)

  미래자동차 오회장, 집권여당의 유력대선후보 장필우, 조국일보 논설주간 이강희 등이 모여 섹스파티를 벌이는 장면은 자연스럽게 박정희의 안가 파티를 연상케 했다.
  未来自動車オ会長、与党の有力大統領候補チャン・ピルウ、祖国日報論説主幹イ・ガンヒなどが集まってセックスパーティーを繰り広げる場面は、おのずと朴正煕のアンガパーティーを連想させた。

 一読して意味がわからなかったのが안가(アンガ)>です。思いつく漢字はですが、安さんの家にしても安さんの一家にしても意味不明。電子辞書の朝鮮語辞典(小学館)にもプライム韓日辞典にもなし。

 しかし、ネット上の<標準国語大辞典>には5つ挙げられている意味の最初に次のように記されていました。(※左のブックマーク欄の<NAVER辞典>にも全く同じ説明があります。)

  특수 정보 기관 따위가 비밀 유지를 위하여 이용하는 일반 집.
  特殊情報機関などが秘密維持のため利用する一般家屋

 続いて韓国サイトをいろいろ探してみたところ、안전가옥(安全家屋)>の略語ということのようです。したがって、安家という漢字は(偶然)正解。

 こうした安家の代表例があの197910月26日年朴正煕大統領が金載圭中央情報部(KCIA)部長に射殺されたソウル市鍾路区宮井洞(クンジョンドン)の安家。(下画像)
    
 右の写真、よく見ると右奥に倒れている人がいますよ。

 この宮井洞の安家は1980年取り壊され、現在はという名前の市民休息公園になっています。場所は景福宮の北西の角あたり。(これについては→コチラの記事(日本語)参照。)

 以下、「韓国日報」の記事(→コチラ)と「ハンギョレ」の記事(→コチラ)等を参考に、安家の歴史と現在についてごく簡単にメモしておきます。

・安家は1960年代末に初めて設けられた。当時の中央情報部が大統領の私的執務及び休憩空間の必要性を朴正煕大統領に提案して推進したという。その場所は主として青瓦台近くの宮井洞、三清洞、清雲洞などに散在していた。秘密会議、不法資金授受等々、軍事政権の時代、安家は独裁の産物であり密室政治の象徴だった

・1993年3月金泳三大統領の就任直後取り払われたものだけでも12棟に達する。
 ※「안가」という言葉が一般に知られるようになったのはこの頃からかな? 私ヌルボの推定では、本来はKCIA等直接関わっている者たちの間の符牒のような感じがします。それが民主化の時代を迎えてメディアで報じられ一般に知られるようになってきたのでは? 「エッセンス韓日辞典」(民衆書林)の場合は90年代の版にはなく、2005年頃の版にはありました。

・民主化は安家の運用に変化を及ぼした。警護上一般は引き続き遮断されたが、安家は大統領の半公開的な休息空間となり、あるいは家族や知人との食事や運動の場となったりもしている。

・政府の諸部署も民間家屋風の安家を管理している。検察は過去秘密捜査のため安家を持っていたが、今は麻薬等重大犯罪の犯行を自首した者や被害者保護のため10余ヵ所の安家を管理している。国家情報院等は脱北者の身辺保護のため国内外に安家を保有したことが知られている。警察には依然として防共情報関係を扱う安家があるが、軍事政権当時のような強圧捜査とは過去の物語となっている。

・1997年北朝鮮から亡命した元北朝鮮労働党秘書・黄長(1923~2010)が起居していた安家は江南区論硯洞72-10にあった。(右画像)
 亡命直後から死亡時まで13年間生活していたこの国情院(国家情報院)が管理する安家は、地上2階、地下1階の建物で敷地面積が463.4㎡にもなる時価30億ウォンの大邸宅で、「中央日報(日本語版)」(→コチラ)等によれば、「塀の向こう側に数本の木が見える2階建ての白い家」で「一般の家と変わらない」ものの、しかし各種セキュリティー装備が設置されていた。塀の上の防犯柵、約20台の防犯カメラ、赤外線探知機らがあり、門の周辺には防犯カメラが4台、屋上には360度回転しながら全方向を監視できる防犯カメラが追加で設置されている。また外部に出た2階のベランダには防弾ガラス10余枚が設置されていて中は見えない、等々。その上、警察が厳重に警護していた。ところが、近所の住民は「一般住宅を改造して使用している事務室だと思っていた」、「セキュリティーが重要な会社が賃貸していると思った」等々、誰も黄元秘書が住んでいることを知らなかった。黄元秘書の死後、2011年から管理部署が国家情報院から統一部に移り、の名で会議室として使用されているとのこと。

・2014年のセウォル号沈没の日(4月16日)の朴槿恵大統領の行跡については、「産経新聞」の(例の)記事でも取り上げられたようにがある。この件についての<メディア・オヌル>の記事(→コチラ)は、「金泳三・金大中・盧武鉉政権を経て廃止されたとされる安家がまだ存在しているのではないかという推論も提起されている」と記している。また青瓦台(大統領府)は朴大統領の事故当日の行跡に関する答弁書で「青瓦台は・・・重要な国家安全保障の施設であり、大統領は行政府の首班であり、国家元首であるため、警護必要上歴代のどの政府も大統領の位置と動線はいつも誰に対しても秘密にし、公開してこなかった」と明らかにした。

 つまり、朴槿恵大統領の安家の存在の有無はわからないということか? (まあ、わかったら「安全家屋」ではなくなっちゃいますからねー・・・。)
 ところで、日本には安家のようなものはないのかな? 新聞各紙には「首相日々」(←「毎日新聞」)のような記事に首相の行先等が具体的に書かれているので、秘密の場所で秘密の相手と密談して・・・ということは不可能、とみていいのでしょうか? 今度事情通の人に訊いてみるかな?

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月15日(金)~1月17日(日)]

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 16日観た「ブリッジ・オブ・スパイ」は期待以上。重厚でとても見応えがありました。予備知識なしでタイトルを見てスパイ映画かな?と誤解して映画館に行った人もいれば、逆に行かないつもりの人もけっこういるのでは? むしろ注目はの方。2つの意味が込められているんですね。新聞等で高く評価されているわりには客足はイマイチとか・・・。50代以下の人だと<U-2撃墜事件>(1960年)(→ウィキペディア)と言っても何のことやらわからないもんねー。私ヌルボも新聞の見出し程度かろうじて記憶にある程度。その前年<黒いジェット機事件>というのもあったなー。ウィキペディア(→コチラ)を見ると場所は藤沢だったのか。
 そして18日はシネマ・ベティで「消えた声が、その名を呼ぶ」鑑賞。観客数は積雪が残る寒い日だったせいか「ブリッジ・オブ・スパイ」の1割足らずのわずか4人でしたが、1人当たり満足度(?)は同様に高かったはず。100年前のオスマン帝国によるアルメニア人の大量虐殺を扱った作品ですが、ここにも過去のが現在の国際政治上の問題となるといった日韓中と似た構図があるのですね。この作品の中で、主人公がシリアの町アレッポの野外劇場でチャップリンの「キッド」を観て・・・というシーンはホントに名場面だったと思います。

「朝鮮日報」1月8日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)  「レヴェナント 蘇えりし者」
  「なぜ生きる?」を問う映画 ★★★★
 「ミステリー・グースバンプス」
  元「ジュマンジ」ファンに ★★★
 「ミラクル・ニール!」
  大胆に想像しなくちゃ ★★☆
 「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」
  こんな作品観て育って! ★★★☆
 「その日の雰囲気」
  こんな‘何か’は真似禁止! ★★☆
 「タイム・トゥ・ラン」
  俳優に惑わされないで ★★☆
 「ミラクル・ニール!」はイギリスのSFコメディ。地球滅亡を企むエイリアンたちがテキトーに選んだ教師ニール(サイモン・ペッグ)に力を授けて地球存続のチャンスを与えるというもの。日本公開は今春。「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」は<東京アニメアワードフェスティバル2015>でグランプリを受賞したアイルランドのアニメ。アイルランド神話をもとに、海ではアザラシ、陸では人間の女性の姿をとる妖精セルキーの母親と、人間の父親の間に生まれた兄弟の冒険を描いた作品で、今夏日本で一般公開されます。「タイム・トゥ・ラン」はジェフリー・ディーン・モーガンとロバート・デ・ニーロ共演のクライム・アクションで、ヒューマントラストシネマ渋谷の<未体験ゾーンの映画たち2016>で上映が終わったところ。(大阪は1月31日から。) 内容等は→コチラ参照。他の3作品は下の記事中で紹介しています。
           ★★★ Daumの人気順位(1月19日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①悪い国(韓国)  9.2(129)
②内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(656)
③時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1185)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.0(48)
⑤JSA(韓国)  8.9(367)
⑥ラブ・アクチュアリー  8.9(669)
⑦Love letter(日本)  8.8(763)
⑧エターナル・サンシャイン  8.8(524)
⑨トーク・トゥ・ハー  8.8(55)
⑩マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.7(2027)

 ③「時をかける少女」は本ブログでは新登場。2006年の細田監督によるアニメ版です。韓国題は「시간을 달리는 소녀」。
 なお⑦「Love Letter」は1995年の岩井俊二監督作品ですが、その後何度も再上映されてきました。20年以上経った今、日本より韓国の映画ファンの記憶により強く残っているように思われます。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
④ボーダーライン  7.8(6)
⑤時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑥インターステラー  7.6(9)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑩スター・ウォーズ/フォースの覚醒  7.2(7)

 ⑤「時をかける少女」だけが新登場ですが、上述のように何度目かの再上映です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月15日(金)~1月17日(日)] ★★★
         ディカプリオ主演のアカデミー賞候補作「レヴェナント 蘇えりし者」が初登場1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・レヴェナント 蘇えりし者 ・・1/14 ・・・・・・・・・・・694,579 ・・・・・・・・・821,202・・・・・・・・・・6,668 ・・・・・・・・966
2(新)・・その日の雰囲気(韓国)・・・1/14 ・・・・・・・・・・・279,871 ・・・・・・・・・354,921・・・・・・・・・・2,859 ・・・・・・・・584
3(1)・・アーロと少年・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・270,281 ・・・・・・・・・983,041・・・・・・・・・・7,259 ・・・・・・・・602
4(3)・・ヒマラヤ(韓国) ・・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・189,379・・・・・・・・7,469,661・・・・・・・・・57,987・・・・・・・・・536
5(2)・・内部者たち ・・・・・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・158,294・・・・・・・・1,851,433・・・・・・・・・15,138・・・・・・・・・569
       :ジ・オリジナル(韓国)
6(30)・・ミステリー・グースバンプス・・1/14・・・・・・・・・144,020 ・・・・・・・・・182,410・・・・・・・・・・1,375・・・・・・・・・514
7(27)・・映画クレヨンしんちゃん・・1/07・・・・・・・・・・・・・44,822・・・・・・・・・・197,640・・・・・・・・・・1,472・・・・・・・・・277
       オラの引越し物語~サボテン大襲撃~(日本)
8(6)・・X-ミッション・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・30,113 ・・・・・・・・・278,905 ・・・・・・・・・・2,207・・・・・・・・・242
9(5)・・HEROCK/シャーロック ・・1/02・・・・・・・・・・・・・29,549・・・・・・・・1,259,963 ・・・・・・・・・・9,852・・・・・・・・・229
       忌まわしき花嫁
10(4)・・私を忘れないで(韓国)・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・22,575・・・・・・・・・・414,102 ・・・・・・・・・・3,315・・・・・・・・・280
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・6位の3作品です。
 1位「レヴェナント 蘇えりし者」は、アカデミー賞で最多12部門ノミネートというディカプリオ主演の西部劇アドベンチャー。狩猟中に熊に襲われ、瀕死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は、狩猟チームメンバーの1人ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされます。その際フィッツジェラルドは反抗するグラスの息子まで殺してしまいます。奇跡的に蘇ったグラスは厳しい冬の寒さに耐え、交戦中の部族の熾烈な襲撃をかわしながわ、約300キロにも及ぶ復讐の旅を続けます・・・。マイケル・パンクの同名小説を原作とする実話に基づいた物語とのことです。韓国題は「레버넌트:죽음에서 돌아온 자」。日本公開は4月です。
 2位「その日の雰囲気」は、韓国のロマンス&コメディ。釜山行きのKTXで偶然隣り合わせたぺ・スジョン(ムン・チェウォン)とキム・チェヒョン(ユ・ヨンソク)。自由恋愛主義者チェヒョンは言い寄れば必ず成功するのが自慢のメンコンナム(맹공남)すなわち猛攻男、一方のスジョンは彼の攻勢に巻き込まれながらも「私、そんな女じゃないのよ」と立ち向かう鉄壁女(철벽녀)。この両者のミルタン(밀당.駆け引き)ロマンス、勝つのはドチラ? 原題は「그날의 분위기」です。
 6位「ミステリー・グースバンプス」は、R.L.スタインの同名児童向け小説(岩崎書店から刊行)を原作としたファンタジー&。ホラー。カナダで製作された子供向けTVドラマが北米で1995~98年、日本でも1998~99年NHK教育TVで放送されました。この映画では、主人公の原作者(!)R.L.スタイン(ジャック・ブラック)が隣人のz少年(ディラン・ミネット)と共に本からとび出した怪物たちに立ち向かうという構成になっています。韓国題は「구스범스」。日本公開は6月です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ユース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・11,466 ・・・・・・・・・・・・43,617 ・・・・・・・・・・・・340 ・・・・・・・・・55
2(29)・・Love Letter(日本)・・・・・・・・・1999/11/20 ・・・・・・・・・・・・・9,112・・・・・・・・・・・・61,881 ・・・・・・・・・・・・464 ・・・・・・・・150
3(3)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・4,490・・・・・・・・・・・・78,438 ・・・・・・・・・・・・636 ・・・・・・・・・26
4(2)・・隣りに神が住む・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/24・・・・・・・・・・・・・2,053 ・・・・・・・・・・・・92,671 ・・・・・・・・・・・・749 ・・・・・・・・・31
5(33)・・フランス映画のように(韓国)・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・・1,163 ・・・・・・・・・・・・・2,764・・・・・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・29

 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「隣りに神が住む」(仮)は、ベルギー等3ヵ国合作のコメディ。ブリュッセルのフラットで父親(神)・母親(女神)と暮らす娘の物語。この両親は、神を自称しているのではなく、なんと正真正銘の神様(!)なのです。娘は父親のコンピューターをハッキングして人々に「神しか知りえない情報」を流したりするのですが、物語はさらに荒唐無稽に(?)展開していきます・・・。韓国題は「이웃집에 신이 산다」です。
 5位「フランス映画のように」は、「ロシア小説」や「俳優は俳優だ」のシン・ヨンシク監督による4作からなるオムニバス。<A time to leave> 4人の娘を残して安楽死をすることを選んだ母親が、娘たちと共に過ごす最後の3日間の時間が今始まる。<A lady at the bar> ビール・バーのきれいなアガシを好き始めた2人の男がいる。1人の女と2人の男の夜の出来事。<A remaining time> 愛し合う2人の男女に、ある日偶然に出会った用いた占い師は告げる。「恋人の時間は100日しか残っていません」。<Like a French film> ある女性を愛する男がいる。は、「彼は彼女の漁場に閉じ込められた虜だ」と周りはいうが、彼は彼女を愛し始めた瞬間が忘れられない。原題は「프랑스 영화처럼」です。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月22日(金)~1月24日(日)]

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 もう19日も経ってしまいましたが、その間、1月7日に「キネマ旬報」のベスト・テンが発表されました。詳細は→コチラで見ることができます。その結果は次のとおりです。

[日本映画] ①恋人たち ②野火 ③ハッピーアワー ④海街diary ⑤岸辺の旅 ⑥GONINサーガ ⑦この国の空 ⑧ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判 ⑨母と暮せば ⑩きみはいい子 ⑩ローリング
[外国映画] ①マッドマックス 怒りのデス・ロード ②アメリカン・スナイパー ③アンジェリカの微笑み ④バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) ⑤黒衣の刺客 ⑥神々のたそがれ ⑦セッション ⑧雪の轍 ⑨インヒアレント・ヴァイス ⑩おみおくりの作法

 これらの中で私ヌルボが観たのは[日本映画]は①④⑦⑧、[外国映画]は①②④⑥⑦⑧と、例年よりはやや多め。12月31日の記事<★2015年 ヌルボの個人的映画ベスト10>と比べると、ヌルボのベスト3がキネ旬には1つも入っていないのは想定内だし、意外な感はありません。むしろヌルボが意を決して(笑)5位(という高位置)に入れた「マッドマックス/怒りのデスロード」がキネ旬ではなんと1位とは! これはちょっと画期的なことかもしれません。
またヌルボが注目していた黒木華と篠原篤の受賞も妥当な線。なお、毎日映画コンクール(→コチラ)でも「恋人たち」が日本映画大賞とは意外。それにしても、このタイトルにだまされた観客は多かったのでは?(笑) (とくにデート中のカップルとか・・・。) この毎日映画コンクールの藤野涼子の新人賞受賞やTSUTAYA映画ファン賞(→コチラ)での「幕が上がる」受賞もナットク。以上、私ヌルボもおよそジョーシキ的な映画ファンの1人であるということを確認したというわけです。
 22日から「ビューティー・インサイド」が始まりましたが、いつ観にいけるかな? 他の韓国映画では12月17日歌舞伎町のTOHOシネマズ新宿で観た「明日へ」は今週29日まで横浜・黄金町のシネマジャックで上映中。毎日15:45〜17:30の1回のみ。オススメです。そのシネマジャックで昨晩サタジット・レイ監督「チャルラータ」(1964)鑑賞。1980年代のイギリス支配下にあったインド社会の一端がわかります。とくに中流以上の女性の生活と心理を深く描いた作品ですが、私ヌルボ、後で長谷部友子さんのレビュー(→コチラ。ネタバレあり)を読んでいろいろなことに気づかされました。

「朝鮮日報」1月22日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)  「マネー・ショート 華麗なる大逆転」
   金融映画、新分野の誕生★★★★

 「スティーブ・ジョブズ」
   小枝を取ったら見える ★★★☆


 「兄への想い」
   「新派」どこまで飽きない? ★★☆


 「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」
   こう老いたいが、いかに? ★★★

 「ゼロ・モチベーション」
   イスラエル女性軍、同じ? ★★☆


 「バックトラック」
   なぜか結末がわかるが・・・ ★★☆

 「ゼロ・モチベーション」はイスラエルのコメディ。徴兵で集められた女性兵士たちが、砂漠地帯にある軍施設で単純作業や遊びに明け暮れる様子を描く、というもの。え、→コチラのサイトで無料で見られる? 他の5作品については下の記事中で紹介しています。
           ★★★ Daumの人気順位(1月26日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①悪い国(韓国)  9.1(136)
②内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(764)
③時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1190)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.0(48)
⑤JSA(韓国)  8.9(368)
⑥ラブ・アクチュアリー  8.8(770)
⑦Love letter(日本)  8.8(763)
⑧エターナル・サンシャイン  8.8(528)
⑨トーク・トゥ・ハー  8.8(56)
⑩ピアノの森(日本)  8.7(155)

 ①~⑨は前回と同順位で、新登場作品はありません。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
④ボーダーライン  7.8(6)
⑤時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑥インターステラー  7.6(9)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑩スター・ウォーズ/フォースの覚醒  7.2(7)

 順位・評点とも前回と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月22日(金)~1月24日(日)] ★★★
         「レヴェナント 蘇えりし者」が2週連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・レヴェナント 蘇えりし者 ・・1/14・・・・・・・・・・・・399,964 ・・・・・・・1,519,309・・・・・・・・・12,331 ・・・・・・・・796
2(25)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・398,312 ・・・・・・・・・501,643・・・・・・・・・・3,921 ・・・・・・・・854
3(3)・・アーロと少年 ・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・146,687 ・・・・・・・1,217,672・・・・・・・・・・8,942 ・・・・・・・・502
4(新)・・マネー・ショート ・・・・・・・・・1/21・・・・・・・・・・・・143,092・・・・・・・・・171,902・・・・・・・・・・1,442 ・・・・・・・・489
       華麗なる大逆転
5(4)・・ヒマラヤ(韓国) ・・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・・84,284・・・・・・・・7,646,566・・・・・・・・・59,399・・・・・・・・・433
6(2)・・その日の雰囲気(韓国)・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・・83,065 ・・・・・・・・・577,776・・・・・・・・・・4,598 ・・・・・・・・393
7(5)・・内部者たち ・・・・・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・・67,789・・・・・・・・1,989,503・・・・・・・・・16,243・・・・・・・・・378
       :ジ・オリジナル(韓国)
8(34)・・劇場版ちびっ子バス タヨの・・1/21 ・・・・・・・・・59,732 ・・・・・・・・・・68,539 ・・・・・・・・・・・460・・・・・・・・・200
       エース救出作戦(韓国)
9(6)・・ミステリー・グースバンプス・・1/14 ・・・・・・・・・・・40,273 ・・・・・・・・・285,683・・・・・・・・・・2,137・・・・・・・・・244
10(46)・・スティーブ・ジョブズ・・・・・・・1/21・・・・・・・・・・・32,671・・・・・・・・・・・42,297・・・・・・・・・・・・336・・・・・・・・・383
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・4・8・10位の4作品です。
 2位「兄への想い」は、朝鮮戦争当時存在していた子供合唱団をモチーフにした作品とのことです。朝鮮戦争で家族も仲間も失った軍人ハン・サンリョル(イム・シワン)は、転出命令を受けて偶然留まることになった部隊で両親を失った子供たちに出会います。子供たちの明るい姿に少しずつ心を開くサンリョルは、やがてボランティアのパク・ジュミ(コ・アソン)と共に子供合唱団を作り、歌を教え始めます。合唱団はその後激戦の戦場と軍病院などでの慰問公演に始まり、休戦後にはアメリカ国全土、60年代には、日本、東南アジア、ヨーロッパまで巡回公演を続けていきます・・・。原題は「오빠생각(オッパセンガク)」なのですが、これは韓国人なら皆知っている童謡で、本ブログでも過去記事(→コチラ)でわりと詳しく書いたことがあります。またYouTubeでも聴くことができます。(→コチラ。)
 4位「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、「マネーボール」等の著者マイケル・ルイスの経済ノンフィクションをブラッド・ピットがプロデュースして映画化した作品。アカデミー賞作品賞にノミネートされてますね。(あ、「レヴェナント 蘇えりし者」も。) 世界中がアメリカ発の住宅好況に酔っていた2005年のウォール街を舞台に、世界金融危機の到来を予期した金融トレーダー等4人の熾烈な戦いを描く・・・。韓国題は原題と同じで「빅쇼트(ビッグ・ショート)」。日本公開は3月4日です。
 8位「劇場版ちびっ子バス タヨのエース救出作戦」は、タヨ(타요)は韓国のアニメ。ソウル市内を走るバスを擬人化したキャラクターで、教育テレビ(EBS)で放映されて人気になり、2014年には実際に4色のキャラクターバスが運行して大人気に。そして劇場版が作られるに至ったというわけです。→コチラのブログ記事や→ソウルナビの記事を参照して下さい。お話しの方は、いなくなったエースを助けるため、おもちゃの国へ旅立ったタヨと仲間たちの冒険ストーリーだそうです。原題は「극장판 꼬마버스 타요의 에이스 구출작전」です。
 10位「スティーブ・ジョブズ」は、いうまでもなくあのアップル社を設立した人物の伝記映画。1984年、Macintosh発表会の40分前、挨拶をするはずのマシンが黙ったままで、ジョブズは激怒していた。そこへ元恋人が現れるのだが、彼女はジョブズが認知を拒む娘リサを連れていた・・・というのが冒頭? そして事実なのか・・・。韓国題は「스티브 잡스」。日本公開は2月12日です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21 ・・・・・・・10,169・・・・・・・・・・・13,341 ・・・・・・・・・・・・104 ・・・・・・・・103
2(1)・・ユース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・・7,184 ・・・・・・・・・・・59,544 ・・・・・・・・・・・・465 ・・・・・・・・・53
3(4)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・4,410・・・・・・・・・・・・86,504 ・・・・・・・・・・・・706 ・・・・・・・・・25
4(新)・・バックトラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/21・・・・・・・・・・・・・・3,615・・・・・・・・・・・・・5,450・・・・・・・・・・・・・・43 ・・・・・・・・・90
5(2)・・Love Letter(日本)・・・・・・・・・・1999/11/20 ・・・・・・・・・・・・・2,078・・・・・・・・・・・・70,114 ・・・・・・・・・・・・530 ・・・・・・・・・19

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」は、ジル・シメントの同名ベストセラー小説(小学館文庫)の映画化作品。ブルックリンの街を一望できるアパートの最上階で40年間連れ添ってきた画家アレックス(モーガン・フリーマン)と妻ルース(ダイアン・キートン)でしたが、夫の今後を心配したルースはこの家を手放し、エレベーターのある住居に引っ越すことを決意。ところが愛犬の体調不良や近所でのテロ騒動等々のトラブルが次々に発生・・・。韓国題は「브루클린의 멋진 주말」。日本でも30日から公開されます。
 4位「バックトラック」(仮)は、オーストラリアのミステリー。精神科医ピーター(アドリアン・ブロディ)の故郷で1987年に乗客全員が死亡したという大きな列車事故がありました。ある時、ピーターは自分の患者たちが皆その事故の犠牲者であるという事実を知ります。そして今まで疑ったことのなかった20年前の記憶が何か間違っていたのではと考え、故郷に戻って不確かな記憶を手がかりに彼らの死と関連した事件の秘密を探り始めるのですが・・・。韓国題は「백트랙」。日本公開はなさそう?

[ソウル]徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ ①イ・ジェソク製作のソウル市庁電光掲示板

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 初めてソウルを訪れた観光客のほとんどが訪れる所といえば景福宮でしょう。(行かなかった人も私ヌルボの身近にいますが・・・。) そして徳寿宮も定番の観光ポイントであることはいうまでもありません。
 ヌルボも過去30回近くソウルに行きましたが、1992年の初回以来徳寿宮には5回くらい(?)入ったことがあります。
 この新シリーズのテーマは<徳寿宮近辺の~>ということで、徳寿宮の入口(大漢門)から歩いて約10分以内のいろんな所やモノを紹介していこうというものです。
 近年何度かこの辺りをあちこち歩き回ることがあって、その時ガイドブック等にはほとんど載っていない、しかし一見の価値がありそうな(?)モノ(建造物その他)がいくつも目に留まったので、それを順次紹介していこうというのがシリーズの主旨です。

 ・・・が、それに先立って、これから徳寿宮を見学しようという方にはぜひ「予備知識をちゃんと仕入れていく」よう、声を大にして申し述べておきたいと思います。
 景福宮と同様に徳寿宮の敷地内にも数多くの見るに値するモロモロがありますが、予備知識もなくただ何となく入場し、お寺でいえば本堂に相当する中和殿までまっすぐ行って、そのまままっすぐ出てしまうのはあまりにもったいないことです。予備知識がなくても好奇心旺盛な方なら神機箭(シンギジョン.矢を1度に大量に射る武器)とか仰俯日(日時計)とかを見つけるでしょうが、他にも一杯あります。徳寿宮美術館や大韓帝国歴史館(←2014年10月開館でヌルボはまだ行ってません)もあります。これらについての詳細は→ソウルナビや→コネスト
の記事を参照してください。

 徐々に本題へ。シリーズの初めは、この徳寿宮大漢門を背にして立ち、東側の世宗大路の向こう側を眺めるところから。下の画像のような眺めです。
 右手の古い建物は、日本の統治期の京城府庁舎で戦後は長くソウル市庁だったのが、2012年新庁舎ができ、ここはソウル図書館になりました。その新しいソウル市庁舎が左手の大きな建物。曲面主体のデザインが特徴的です。ソウル図書館にも市庁舎にもぜひ入ってみてください。
 ソウル図書館については→コネストに詳しい記事があります。→ソウルナビにも記事はありますが・・・。
 ソウル市庁の地下にはがあり、カフェ等の他、高麗~朝鮮王朝時代に兵器・旗幟・軍装等を製造していた官庁の軍器寺(クンギシ)の発掘現場がそのまま保存された軍器寺遺跡展示室もあります。
 ※→の公式サイト(日本語)。→ソウルナビのの記事。→ソウル市公式サイトの関係記事&写真。→軍器寺遺跡展示室の動画

      今度こそやっと本題です。
 上掲の画像で私ヌルボが着目したのは、ソウル図書館やソウル市庁の建物ではありません。市庁舎の西側外壁のこれ(下画像)です。
 かわいい女の子が掲示板のようなものを持っています。昨年5月ソウルに行った時に初めて見ました。最初はソウル市の何かのキャンペーンなのかなと思いましたが、見ているとこの掲示板の文字が順次変わっていくではないですか!(6秒間隔) その内容も、上の画像では「말은 못했지만, 너가 곁에 있어 항상 고마워(言葉では言えなかったけど、君が側にいて、いつもありがとう)」といった個人的な短い文章。下の「010-3616-××××님」というのは、このメッセージを発信した人の電話番号のようです。
 以下、その後この掲示板について調べてみたことを略述します。
 これは2014年6月から始まったLEDによる市民掲示板で、大きさは横13m、縦8mあります。
 朴元淳(パク・ウォンスン)市長が2014年6月の市長選挙で鄭夢準候補との事実上の一騎打ちを制して再選を果たした後、市民との疎通と共感の市政を広げていこうという趣旨で始めたものです。
 市民掲示板は午前と午後各7~10時の1日6時間運営され、誰でも参加できます。010-6387-1177に文字メッセージを送信すると1件あたり6秒ずつリアルタイムで表示されます。文字数はハングル40文字、英語・数字は80文字以内。1時間に同じ番号で3回まで発言できますが、誹謗中傷や、商業広告等はブロックされたり、スパム番号として登録されるとのことです。(メッセージの表示以外の時間帯は市の案内メッセージが流される。)
 しかし、この掲示板の動画を探したら、次のようなものがありました。

 「同性愛の市民だけがソウル市民ですか?」に始まって「健康な性的価値観のため同性愛に反対します」と、「同性愛合法化絶対反対」を主張しています。こういう主張はOKということなんですね。また、9分以上も続くメッセージなのですが、画面下の電話番号を見ると6秒ごとに変わっている・・・ということは、大勢の仲間たちでリレー式に送信したということのようです。

 さて、この市民電光掲示板についての評価なのですが、スタートして5月後の11月「朝鮮日報」に<8000万ウォンかかったが・・・ 市民の反応は微々たるソウル市庁電光板>という記事(→コチラ.韓国語)が載りました。これによると、問題点として利用者があまりにも少ないということを指摘しています。1日平均212件で、1272秒つまり約21分。市の関係者は「もう少し多様な活用方策を検討する」と明らかにしたそうですが、現在の状況はどんなものか? ※代表的保守紙「朝鮮日報」だけに、進歩系の朴元淳市長の施策や言葉には細かなことにもケチをつけますが、これもその一例か?

 この電光掲示板について、もう1つ注目すべきことは、これを製作したのが<広告の天才>として自他ともに認める(!?)イ・ジェソク(이제석)さんであるということ。
 <イ・ジェソク広告研究所>の記事(→コチラ)でこの掲示板の製作過程を多くの画像で見ることができます。この掲示板の女の子は子役俳優のココ(코코)ちゃんという子なんですね。(右画像。)

 イ・ジェソクさんのこれまでの作品群を見ると、そのユニークな発想は驚くばかり! いずれ単独の記事で紹介します。その予告編で1つだけ紹介。

 なんだ、この車は!? ・・・って、パトカー(!)なんですけどね。え、釜山市警察庁だって!?

 もう1つ、次の<徳寿宮近辺の見逃しがちないろいろ>の予告画像も。

 ソウルのリピーター旅行者の皆さん、どれくらいが見てすぐわかりますかねー?

☆おまけ。<イ・ジェソク広告研究所>のサイト内に次のような画像もありました。ココちゃん、スカートじゃない! お年寄りもシロクマもそれぞれに主張してます。その右の2つを見ると、掲示板部分だけでなく全体がLEDハネルということか。この3つの画像、どれも前の道路の車等の位置が同じということは、実際の写真じゃないのかな? うーむ。

          

‘広告の天才’イ・ジェソクの奇抜な広告アートの数々 [その1]

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 1つ前の記事で、徳寿宮の東側に見えるソウル市庁舎の外壁の市民掲示板(下画像)について書きました。 今回は、その製作者のイ・ジェスクさんと、彼がこれまでに手がけた広告アートを紹介します。

 まずは先の記事の最後で、予告編として載せたこの画像から。

 この建物は釜山地方警察庁です。そして車は拡大して見るとわかるようにパトカーです。
 製作途中の短い動画があったので貼っておきます。
 少なくとも外装やタイヤは実物を使っているようです。細部を見ると、車の左下方には「총알캍이 달려가겠습니다.(弾丸のように走っていきます。)」という文字。その右に小さく「犯罪の届は112、学校暴力の届は117」という電話番号が記されています。
 →コチラの<eデイリー>の記事(韓国語)によると、この「空飛ぶパトカー」は2011年警察庁広報諮問委員に委嘱されたイ・ジェソクさんので2013年9月釜山市南区大淵洞の旧南部警察署に設置されました。これに続いて翌10月21日の警察の日に同市海雲台区の佐洞派出所に設けられたのが下左のインスタレーションです。
         これもやはり「パチンコの弾のように直ちに出動します。」という意味。その右は同じ場所の別パターンで、人気ゲームのキヤラクター・アングリーバードの人形が載っています。3つ目のブランコも2014年3月釜山警察庁の学校暴力予防キャンペーンとして作られたもので、支柱の上のボードに描かれた女性警官の腕に懸けられた鎖が、ちょうど実際のブランコの鎖につながっているように見えます。ボードの左上には「お姉さんだけを信じて」、「学校暴力は117」と書かれています。(他に男性警官のものもある。)
 警察関係では、これより先、2011年ソウルの江南警察署の外壁に横4.7m縦9mの大きなミミズクの絵が描かれました。(下画像)
      夜になると、元々あった2つの窓の明かりがちょうどミミズクの輝く目になっています。そしてその左上には「安心してお休みください」「警察は24時間眠りません」という意味の2行のハングルの文に光が当てられています。
 さて、この記事のタイトルについてですが、‘広告の天才’というニックネームは私ヌルボが付けたものではありません。2010年にイ・ジェソクさん自身が自分の経歴・経験や、広告哲学といったものを記した本を出したのですが、その書名が「광고천재 이제석(広告の天才イ・ジェソク)」だったのです。副題は「세계를 놀래킨 간판쟁이의 필살 아이디어(世界を驚かせた看板屋の必殺アイデア)」(右画像)。その後2014年に改訂版が刊行されました。(→innolifeの記事参照。)
 ヌルボはこの本を読んだわけではありませんが、この本の内容紹介等で知り得た彼の経歴は次の通りです。

 1982年大邱生まれ。医大に行った兄に押され、初等学校の時から漫画だけ描いて時間をつぶしていた。中学生の頃は授業態度不良で何度もなぐられた。高校に進学して、絵だけで4年制大学に行けると聞いて死ぬほど描いた。400点満点で100点台だった模擬試験の点数が終盤に300点をはるかに超え、地元大邱の啓明大学校視覚デザイン科に入学。4.5点満点中評価4.47で首席で卒業した。しかし大学在学中から学生広告公募に根気よく応募したが大したものでもない賞さえ受賞に到らず、卒業後も数十社に願書を出したが地方大というだけで最初から相手にされないのだ。やむなく地元の看板屋で仕事を始める。
 ある日、近所のチラシ配りのおじさんにからかわれ、アメリカ留学を決心する。それまで<루저>(loser.負け組)だった彼の人生はアメリカで大逆転する。1年間米軍部隊に出入りして英語を身につけ、2006年9月にニューヨークのスクール・オブ・ビジュアルアーツに編入する。そして6ヵ月後から世界的な広告公募展でメダル狩りを開始する。最高権威のニューヨークワンショーフェスティバル最優秀賞、広告界のオスカーと呼ばれるクリオ賞銅賞、米国広告協会が授与するアディ賞金賞等々、国際広告祭で29個ものメダルを獲得し、JWT NEW YORK、BBDO等の広告代理店でアートディレクターとして働き、ヒット作を生み出した後 帰国し、2009年自らのめざす「世界を変える広告」作成のためイ・ジェソク広告研究所を設立した。

 ・・・彼のユニークな作品世界とともに、このような学歴社会でのからの大逆転といった経歴が相俟って韓国社会での注目度が一気に高まったのでしょうね。
 なお、2013年KBS2テレビで「花を咲かせろイ・テベク」(原題=広告の天才イ・テベク)と題したドラマが放送されましたが、これはイ・ジェソクの成功記を基にした物語です。しかしこのテベクの方は大学を中退した点等々、イ・ジェソクさんとはかなり違うようです。

 紹介したい彼の作品はまだまだたくさんあります。あと20くらいかな? それらは続きということにします。あ、1つだけ予告編ということで載せておきます。


 → ‘広告の天才’イ・ジェソクの奇抜な広告アートの数々 [その2]

‘広告の天才’イ・ジェソクの奇抜な広告アートの数々 [その2]

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 <広告の天才>といわれるイ・ジェソクさんですが、仕事のメインは商品の宣伝等の商業広告ではなく、公的機関のキャンペーン等です。1つ前の記事では、警察関係を中心に紹介しました。
 今回はまず前の記事の最後に予告編として載せた下の画像から。


 ソウルのリピーター旅行者は景福宮の東側に隣接する国立現代美術館ソウル館のことをどれくらいご存知でしょうか? 保安・防諜機関の軍機務司令部と軍ソウル地区病院があった場所に建設され、開館したのが2013年11月。上の巨大なモナリザのヌードの寝姿は、その工事中のフェンスに描かれたものです。ということなので、現在は見られません。頬っぺたが赤みをさしているのがミソですね。あ、手前の2本の木は作り物だそうです。(笑)
 そのフェンスには、モナリザ以外にも過去の名画でおなじみの顔がいろいろ描かれていました。

      これはボッティチェッリ「ヴィーナスの誕生」のヴィーナス。髪型を(湯上りのように?)少し変えてますが・・・。

       ミケランジェロ「ダヴィデ像」と、ゴッホ「渦巻く青い背景の中の自画像」。

       モナリザはここにも・・・。フェンスの下に足も見えていますよ。しかし、右の女性の顔はほとんどの人は見覚えがないのでは? 18世紀後期~19世紀初期の朝鮮の絵師申潤福(シン・ユンボク)の「美人図」です。          申潤福はSBSのドラマ「風の絵師」(2008)でムン・グニョンが演じてましたね。映画「美人図」(2008)も申潤福を男装の女性という設定で描いていました。

 国立現代美術館ソウル館の工事用フェンスはとりあえずここまで。韓国のブログ記事等を見ると「何だ? セックス博物館か?」という反応もあったようですが、道行く人の目を奪ったのは当然でしょう。
 次に景福宮から世宗大路を南下。世宗大王像の前です。

 巨大な刷毛。毛の部分が植物になっています。2015年植樹の日(4月5日)に向けて山林庁の「세상을 녹색으로(世界を緑に)」という標語とともにイ・ジェスクさんが作った造形物です。→コチラの記事(韓国語)には「多くの人の関心を集めていた」が、「わずか3日間の展示期間で製作費用が5千万ウォンかかったというのが残念」とありました。

 世宗大路をさらに南へ。
 おなじみの李舜臣像ですが、2010年11~12月40日間にわたって修理・補強作業をしたのですね。高さ6.5m重さ8トンという銅像を大型クレーンで外して・・・。ではその間台座の上はどうなっていたかというと・・・。

 板で囲まれた箱状のモノが代わりに置かれました。そこに 示されている文字は・・・。

       「탈의 중(脱衣中」です。
 いやあ、これはソウルの人たちも見慣れた李舜臣像以上に注目したでしょうね。
 ※この作業の過程はイ・ジェソク広告研究所のサイト(→コチラ)の写真参照。

 李舜臣像からさらに南、ソウル広場の南東の道路の安全地帯に、2014年11月下のような造形物がありました。これもイ・ジェソクさんによるものです。
 これも横10m高さ3mと、けっこう大きい物です。「ARISU(아리수)」というのは、2015年からソウル全域に供給される高度浄水処理された水道水のことで、ソウル市上水道事業本部が命名したという意味の韓国語とのことです。(・・・ということは、そのまま飲んでも大丈夫、になってる?)

 さて、ここまでいろいろ紹介したイ・ジェソクさんの作品はどれも現在は見ることができないものばかりです。
 ところが、ソウル広場からすぐの所に今も見られる造形物があるのです。
      場所はソウル市庁の東側の武橋路を北に少し行って右。昨年4月ソウルに行った時、北倉洞で飲んで宿に帰る途中目に留まって取った写真が左です。(酔っていたので?ピントがイマイチ。) 昼間のようす(右)は<DAUM地図>のロードビューから加工しました。
 大きな植木鉢の上で子供が空に向かって両手を広げているこの造形物の名は「Child Pot」。2014年5月に緑の傘子供財団(초록우산 어린이재단)という団体が安全が脅かされている現代の子供たちを守り、健康で幸福に育つことを願って当財団のビルの前に設立したもので、2014年5月20日の除幕式には全国後援会会長の俳優チェ・ブラムさん等とともにイ・ジェソクさんも広報大使として参席し、財団の幹部や保育園児たちの前で挨拶したそうです。

 今回は以上でひと区切り。このシリーズ、当初は2回で終わるつもりだったのが、その後次々にいろいろ見つかったのでもっと続けることにしました。
 次回はメッセージ性の強いものを中心に紹介する予定です。

☆おまけ。国立現代美術館ソウル館の工事用フェンスには次のような外国人の人たちの驚く顔の数々も・・・。「Is It Realy Korea?」等のラクガキ(?)がフェンスに書かれています。
          

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月29日(金)~1月31日(日)]

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 124人目のウジン(ヌルボ)「この曲ならボクも知ってるぞ。ポーラ(폴라)だな、たぶん(아마)」
 イス(ハン・ヒョジュ)「?」
 ウジン「アマポーラ(아마폴라)、だろ?」
 イス「くだらないギャグ・・・。今日のウジン氏はオヤジそのものね(오야지 그 자체네요)」

 昨日観た「ビューティー・インサイド」は、1役をなんと123人もの老若男女の俳優たちが演じるという突飛な設定ながらも、10人中9人は物語を自然に受けとめ、その多くが感動する映画ではないでしょうか? 皆さんに観てもらいたい作品です。日韓のファンのコメントを読むと批判もそれぞれうなづけますがね。結局は「ビューティー・アウトサイド」じゃないか!(怒)とか。もし女性(イス)の方が毎日姿が変わるという設定だったら? 彼氏としては月1回、いや年1回でもハン・ヒョジュのような美人になってくれればいい?(笑) それとも「ビューティー・インサイド」であればいいですか? 

 日曜に観た「最愛の子」は、ふつうにこれでハッピー・エンドかと思ったら、実はそこから本当の物語が始まる・・・という点で思い出したのがチョン・ドヨン主演の「シークレット・サンシャイン」でした。そういえば、先々週の「消えた声が、その名を呼ぶ」に続いてビターズ・エンド配給ですね。ビターズ・エンドはハッピー・エンドの反対の苦い結末という意味かと長いこと思い込んでいましたが、ビターズ・エンドの公式サイト(→コチラ)によるとという意味なんだそうで、いやー英語は苦手なもんで、ハハハ(苦笑)。

「朝鮮日報」1月29日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) 「暗殺の森」
   時代に関係なく有効な ★★★★


 「父の肖像」(仮)
   父親のいくつもの表情 ★★★★


 「女たちの影」
   女心は誰もわからない ★★★☆

 「カンフーパンダ3」
   より中国的でカワイイ ★★★


 「完全なるチェックメイト」
   天才は狂うしかないか? ★★☆


 「ロボット、ソリ(声)」
   ロボット映画、熱い開幕 ★★☆


 「父の肖像」(仮)はステファーヌ・ブリゼ監督によるフランス映画(原題「La loi du marché」)です。会社の不当なリストラで失業者となった51歳のティエリーは1年半の求職活動の末やっと大型スーパーに保安要員として就職。店舗内の監視カメラを通して人々を監視する業務だが、やがて道徳的なジレンマに直面することに・・・。はたして彼はすべてを耐えて愛する妻と息子を守ることができるか? 主演のヴァンサン・ランドンは2015年のカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞しました。日本公開は未定のようです。他の5作品については下の記事中で紹介しています。
           ★★★ Daumの人気順位(2月2日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①悪い国(韓国)  9.1(147)
②内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(826)
③時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1191)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.0(48)
⑤JSA(韓国)  8.9(368)
⑥ラブ・アクチュアリー  8.9(669)
⑦Love letter(日本)  8.8(772)
⑧エターナル・サンシャイン  8.8(529)
⑨トーク・トゥ・ハー  8.8(56)
⑩ピアノの森(日本)  8.7(155)

 前回とすべて同順位です。③~⑨は旧作がずら~っと並んでいます。評価が高いから再上映されるわけで、まあ当然の結果かもしれませんが・・・。

     【専門家による順位】

①マッドマックス 怒りのデス・ロード  8.8(9)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧ザ・ロブスター  7.6(6)
⑨アスファルト  7.5(4)
⑩リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑩女たちの影  7.3(3)

 ④「暗殺の森」と⑩「女たちの影」が新登場です。
 ④「暗殺の森」はもちろん1970年のベルトリッチ監督作品の再上映。韓国題が「순응자(順応者)」なので英題を確認したら「The Conformist」。そうだったのか。
 ⑩「女たちの影」(仮)は第68回カンヌ映画祭監督週間オープニング作品となったフィリップ・ガレル監督の作品で、フランスの映画誌「Cahiers du Cinéma」の2015年ベスト10では3位にランクされました。ピエールはドキュメンタリー監督として妻のマノンと一緒に働いていますが作業は遅れがち。ピエールは妻を愛していますが、疲れた彼の前に現れたエリザベスは若くて知的な女性で、その虜になってしまいます。ある日エリザベスはマノンが恋人と一緒にいることを発見し、その事実をピエールに話します。結局ピエールはマノンと縒りを戻すことを選択します。互いの不倫は真実を明らかにする起爆剤の役割をしたわけですが、2人の関係は元に戻すことができなくなっています・・・。韓国題は「인 더 섀도우 오브 우먼」と、英題「In the Shadow of Women」のまま。日本公開は年内かな?(これもビターズ・エンド。)

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月29日(金)~1月31日(日)] ★★★
         人気アニメシリーズの新作「カンフーパンダ3」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・1/28 ・・・・・・・・・・1,375,454・・・・・・・・1,599,725・・・・・・・・・12,636・・・・・・・1,364
2(11)・・ロボット、ソリ(韓国) ・・・・・1/27 ・・・・・・・・・・・179,466 ・・・・・・・・・298,454・・・・・・・・・・2,191 ・・・・・・・・578
3(2)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・177,572 ・・・・・・・・・907,872・・・・・・・・・・6,848 ・・・・・・・・534
4(1)・・レヴェナント 蘇えりし者 ・・1/14・・・・・・・・・・・・177,182 ・・・・・・・1,875,790・・・・・・・・・15,059 ・・・・・・・・562
5(4)・・マネー・ショート ・・・・・・・・・・1/21・・・・・・・・・・・・・85,310・・・・・・・・・351,293 ・・・・・・・・・・2,836 ・・・・・・・・333
       華麗なる大逆転
6(5)・・ヒマラヤ(韓国) ・・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・・28,291・・・・・・・・7,720,279・・・・・・・・・59,879・・・・・・・・・221
7(5)・・内部者たち ・・・・・・・・・・・・・12/31 ・・・・・・・・・・・・28,085・・・・・・・・2,055,092・・・・・・・・・16,741・・・・・・・・・182
       :ジ・オリジナル(韓国)
8(3)・・アーロと少年 ・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・26,998 ・・・・・・・・1,318,995・・・・・・・・・・9,692 ・・・・・・・・208
9(8)・・劇場版ちびっ子バス タヨの・・1/21 ・・・・・・・・・・26,912 ・・・・・・・・・109,791 ・・・・・・・・・・・737・・・・・・・・・132
       エース救出作戦(韓国)
10(6)・・その日の雰囲気(韓国)・・・1/14 ・・・・・・・・・・・・17,352 ・・・・・・・・・643,993・・・・・・・・・・5,081・・・・・・・・・127
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2位の2作品だけです。(こんなに少ないのはめずらしい!)
 1位「カンフーパンダ3」は、ご存知人気アニメシリーズの第3作。父パンダのリーと出会ったの怠け者パンダのポーは、父リーと一緒にパンダたちが暮らす秘密のパンダ村に向かいます。そこでパンダ仲間と楽しい時間を過ごすますが、悪党カイの登場でポーの前には予期せぬ難関が・・・。すべてのカンフーマスターたちを制圧し、世界中を脅かすカイと対決するために、ポーは遊び好きで食いしんぼの仲間たちに究極のカンフーを伝授しなければならないみとに・・・。韓国題は「쿵푸팬더3」。日本公開はとりあえずは年内ということです。
 2位「ロボット・ソリ(声)」は韓国のSF、というよりもサスペンスかな? 2003年の大邱で、ヘグァン(イ・ソンミン)の一人娘のユジュが行方不明になるという事件が起こりました。ヘグァンは、手がかりもないまま10年間全国を探し回りますが見つからないまま。皆がもうあきらめるように言い始めた時、ヘグァンは世界のすべての声を記憶しているロボット・ソリ(声)に出会います。彼は声を通してその対象の位置を追跡できるというそのロボットの能力を知り、ユジュを探せるのではと最後の期待をかけます。そして一歩ずつユジュの痕跡に近づいて行くヘグァンとソリ。一方、消えたロボットを探して彼らを追う群れの監視網も狭まってきます。はたしてヘグァンとソリはユジュを見つけ出せるか・・・。原題は「로봇, 소리」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・完全なるチェックメイト・・・・・・・・・・・・1/28 ・・・・・・・・・・・・・9,924 ・・・・・・・・・・・15,616 ・・・・・・・・・・・・119 ・・・・・・・・186
2(2)・・ユース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・・4,731 ・・・・・・・・・・・69,795 ・・・・・・・・・・・・543 ・・・・・・・・・39
3(1)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21 ・・・・・・・・・4,137 ・・・・・・・・・・・25,518 ・・・・・・・・・・・・191 ・・・・・・・・・36
4(3)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・2,105・・・・・・・・・・・・90,989 ・・・・・・・・・・・・744 ・・・・・・・・・22
5(新)・・あなたを待つ時間・・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・・2,014・・・・・・・・・・・・・3,661・・・・・・・・・・・・・・26・・・・・・・・・・31

 「海街diary」がずいぶん息長く上映されています。
 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「完全なるチェックメイト」は、日本では昨年12月に公開されています。韓国題は「세기의 매치(世紀のマッチ)」。
 4位「あなたを待つ時間」(仮)は、ピエロ・メッシーナ監督による仏・伊合作作品で、2015年ヴェネチア国際映画祭(コンペティション部門)、トロント国際映画祭、ロンドン映画祭、ストックホルム映画祭、釜山国際映画祭等に招待され上映されました。長い歳月が刻まれたシチリアの別荘。アンナ(ジュリエット・ビノシュ)は息子ジュゼッペの葬儀を行った後、1人孤独の中に残されています。ある日そこに息子の恋人だという若い女性ジャンニ(ルー・ド・ラージュ)がやってきますが、アンナは自分でも受け入れがたい事実をとても口に出すことができません。一方ジャンニは英語がわからないまま恋人の消息がつかめず悩むばかりです。痛みを伴う秘密を抱えたアンナと、ジャンニの間に時間だけ流れていきますが、徐々に相手を理解しはじめます。冒頭に提示される息子の死というドラマチックな事件ははたしてどのように彼の恋人に伝えられるのか・・・。韓国題は「당신을 기다리는 시간」。日本公開は未定のようです。

安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[1]

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 鄭大均「日韓併合期ベストエッセイ集」(ちくま文庫)を今読んでいるところです。
 この書名や、在日2世で2004年に日本国籍を取得した著者の意図等について、人によっては問題にするでしょう。(※この本の内容については→コチラ参照。)
 とりあえずそれはおくとして、1910~45年の日本統治下の朝鮮についていろんな人たちがリアルタイムでいろんなことを書いています。(日本に来た朝鮮人が書いたものもありますが・・・。)
 その中で、安倍能成(あべよししげ.1883~1966)が書いた文章が7編あります。安倍能成は1926~40年京城帝国大学教授の職にあり、その当時の朝鮮についていろいろ記していますが、私ヌルボ、これまで読んだ記憶がなく、短いエッセイばかりですが今回興味をもって読むこととなりました。

 その7編の中に「京城の夏」があります。文字通り京城の夏の景物、動植物や人々の衣服等について自然な筆致で書きとどめた、深い観察眼が読み取れる一文です。

 この初めの方に、次のような記述がありました。(・・・と、ここから本論。)

 ・・・・六月になって雉子は聴かないが、閑古鳥はつい二三日前にも聴いた。月の半ば頃に蛙の声を聴いたことがある。それはメコン蛙と呼ばれるもので、日本で聴きつけたのに比べると、その鳴声が如何にも駄目をおすように尻の方にエムファシスが強い。

 「メコン蛙」というのは初めて見ました。後の方にも、南山の斜面に住む人の家で「梟の声を軽く短くしたような・・・・南山蛙の声」を聴き、「朝鮮にはだめを押すようにしつこく鳴くメコン蛙というのも居るが、この南山蛙というのがどういう種類の蛙かは知らない」と記していますが、それ以上は言及していません。

 さて、この「メコン蛙」とはどんな蛙なのか? たぶんないだろうなと思いつつも検索をかけてみると案の定ヒットは皆無。しかし私ヌルボ、若干の手がかりはないでなし。というのは、2012年に書いた<韓国漫画名作100選② 専門家が選んだベスト10>という記事(→コチラ)の中で漫画家ユン・スンウォンによる往年の人気漫画「メンコンイ書堂(맹꽁이 서당)」について書いたことがありました。その説明文(一部略)は次の通りです。

 書堂(学塾)の先生が弟子たちに歴史を教えるという形式の、歴史学習漫画の元祖。 「メンコンイ(맹꽁이)」はアマガエルの一種のジムグリガエル。孔子(コンジャ.공자)と孟子(メンジャ.맹자)の名から1字ずつ取った「孔孟書堂(コンメンソダン.공맹서당)」が本来の書堂の名ですが、それをふざけて逆にしたもの。
       【「「メンコンイ書堂」第1巻(左)と、富川市・ミュージアム漫画奎章閣にあるメンコンイ書堂の展示物(右)。】 ・・・ということで、このメンコンイで間違いないですね。もしかして安倍能成センセイ(か、在朝鮮の日本人)はこの蛙をメコン川と関係があると思っていたのでしょうか?

 この「ジムグリガエル」で検索すると、2010年の「中央日報」(日本語版)に<ジムグリガエルの集団移住>と題したおもしろい記事が見つかりました。(→コチラ。原文は→コチラ。)

 実はこの記事にメンコンイについての多角的なネタがほぼ包括されています。以下、順次韓国サイト等で知り得たことも含めて、6つの項目に分けてメモしておきます。

①昔の人も鳴き声に悩まされた!
 安倍能成は「だめを押すようにしつこく鳴く」と控えめに書いてますが、「中央日報」は次のような言い伝えを記しています。
 高麗の時代、契丹軍の侵略を防いだ姜邯賛(カン・ガムチャン)将軍が黄海道海州(ヘジュ)に赴任した時、その地の住民が夜昼かまわず鳴くメンコンイのため眠りにつけず悩まされていた。姜将軍は黄色い護符を取り出し、呪文を唱えて「もう泣かないでくれ」と叫ぶと静かになった。池からメンコンイを引き上げてみたら、口がきけなくなっていたという話。
 ウィキペディアの<アジアジムグリガエル>の項目(→コチラ)によると分布地域は中国南部から東南アジア、インド方面で、日本も韓国も記されていません。こういった地域の人たちはその季節になると大勢不眠症になるのでしょうか? ちょいと探してみたら、バリ島とかカンボジアに行った人が「カエルの鳴き声がうるさい!」と書いてましたね。

②メンコンイという名は鳴き声に由来している。
 1匹が「メン」といえば、他のメンコンイたちが「コン」と答え、まるで輪唱するように「メンコンメンコン」と鳴くところから「メンコンイ」という。
 ・・・ということですが、YouTubeにいくつかある動画から1つ、とくにやかましそうなのを貼っておきます。

 しかし、はたして本当に「1匹が「メン~」といえば、他のメンコンイたちが「コン~」と答え」ているのかどうかは聴き取れないんですけど・・・。もちろん、「メン」となくグループと「コン」となくグループが最初から二分されているのかどうかというのも分かるはずはありません。
 それ以前に、くちびるを閉じてmの音を発音できるわけでもないのに、なんで「メン」と聞こえるのか疑問です。(笑) まあイヌの鳴き声も「モンモン」と聞こえるのが韓国の人たちですから・・・。

     
【地面を這うメンコンイ(ジムグリガエル)。右は1979年発行の切手。】③カエル(개구리.ケグリ)やヒキガエル(두꺼비.トゥッコビ)との違いは、小さめで丸まっこい体。
 体長は4~5㎝程度でヒキガエルと間違えやすいが、頭が短くて体が丸い。黄色の体に青い光あるいは黒い光柄がある。動きが鈍いので、言葉や態度がもどかしい人のことを指して「メンコンイみたいだ」という。
 ・・・両生綱カエル目[無尾目]の、アカガエル上科のヒメアマガエル科に属するれっきとしたカエルの仲間なのですが、足には水かきはなく、蛙跳びはできず、這い回るだけなのだそうです。
 学名はKaloula borealis、英名はNarrow-mouthed Toad(またはBoreal digging frog)なのだそうですが、日本ウィキペディアの<カエル>(→コチラ)と、韓国ウィキペディアの<맹꽁이과>(→コチラ)のそれぞれ最下段にある系統樹を対照してもよくわからず。カエルがこんなに細かく分類されているとは知りませんでした。韓国人でもケグリやトゥッコビとの区別がよくわからない人がふつうにいるというのもうなずけます。
 人に対するニックネーム(別称?蔑称?愛称?)としては、バラエティ番組「無限挑戦」(MBC)で共同MCのパク・ミョンスが歌手のイ・ジョクに「メンコンイ」というニックネームをつけて以来それがかなり一般化しているようですよ。(→関係記事。) 顔だか体形だか動作等だか理由までは調べてませんが。
 ※韓国語での各種カエルの名称等を確認しようとあれこれ探したら、<日韓ちゃんぽん>というブログ中に50種以上の両生類・爬虫類の韓国名・和名・学名の対照表というのがありました。(→コチラ。) いやあ、毎度のことながら、どんな分野にも専門家(or専門家ハダシ)がいらっしゃるものです。

④南京錠のことをメンコン錠(맹꽁이 자물쇠)という。
 古代ローマにはすでにあったという南京錠ですが、私ヌルボ、この日本語名は南京虫に形が似ているから(どこが!?)かな?となんとなく思ってきました。(笑) 実は、外国由来のものや珍しいもの、小さいものがを冠して呼ばれたことに由来するのだそうです。
 では、韓国ではなぜ南京錠をメンコン錠(맹꽁이 자물쇠)というのか? ・・・いやあ、ちょっと調べればわかるかと思ったら、意外に難航してまだわからないのです。錠のことだけになかなか解けない、なんちゃって・・・。 続き(あと1回)までにわかればソチラで書きます。 

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月5日(金)~2月7日(日)]

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 「キネマ旬報」の、2月下旬決算特別号だけは買うという人は多いと思います。実は私ヌルボもその1人。もちろん昨年のベスト・テンが載っているし、今年の劇場公開予定作品ラインナップもあります。今年の号は「ベスト・テン歴代受賞者リスト 1924~2015」という表があって、これだけでも過去数十年に観たいろんな映画が懐かしくの思い出されます。
 その「キネ旬」のベスト・テンは→コチラ参照。
 私ヌルボが個人的なベスト10(→コチラ)で1位にした「ボーダレス ぼくの船の国境線」をベスト・テンに入れた人は2人だけで順位は100位。30位くらいには入るかと思っていたんですけどねー。
 韓国映画については「私の少女」(24点)の41位が最高。「海にかかる霧」(12点)が74位。「国際市場で逢いましょう」(7点・100位)、「ベテラン」(5点・116位)といった韓国内での大ヒット作はさらに下で、昨年に続き寂しいかぎりです。ただ、塩田時敏さんだけは「相変わらず韓国映画が好調。なかでも止めをさすのが・・・」と前置きして「海にかかる霧」をなんと1位にしていたのが異彩を放っています。
 個別の選評を見ると、ジャーナリストの佐藤友紀さんが「自分でも笑ってしまった1位!」と書きつつ「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を挙げているのはキモチがよくわかります。敬愛する佐藤忠男先生は別格として、今回一番共感を覚えたのは川本三郎さんが外国映画の1位に「顔のないヒトラーたち」を挙げ、次のように記していること。「善良な小市民が同時に残酷な迫害者になる。「ありふれたファシズム」の怖さは他人事ではない。」

 次に2016の今年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップすると以下の通りです。青色は邦題・茶色は原題です。
 「弁護人」=年内 ・ 「更年期的な彼女(我的早更女友)」[クァク・ジェヨン監督による中国映画]=春 ・ 「探偵なふたり(探偵:ザ・ビギニング)」=2月20日 ・ 「花、香る歌!(桃李花歌)」=4月23日 ・ 「キム・ソンダル」(仮)=6月 ・ 「ヒマラヤ」(仮)=7月 ・ 「インサイダーズ/内部者たち!(内部者たち)」=4月23日 ・ 「背徳の王宮(奸臣)」=3月19日 ・ 「延坪海戦」(仮)=年内 ・ 「西部戦線」(仮)=年内

 韓国映画以外の外国映画の中に、<東京アニメアワードフェスティバル2015>でグランプリを受賞したアイルランドのアニメ「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」が夏公開とあったのはちょっとうれしかったです。

 近々上映される韓国映画「コインロッカーの女」(2/16~)は、<ぴあ映画生活>等で検索しても上映館がわからないかも。ヒューマントラストシネマ渋谷の<未体験ゾーンの映画たち 2016>(→コチラ)の中にあります。上映日時は要注意です。
 他の外国映画では「キャロル」(2/11~)と「ディーパンの闘い」(2/12~)は観なければ。「火の山のマリア」(2/12~)は横浜のシネマ・ジャック&ベティでそのうちやるだろうな。あ、それより前に2月20日から「無頼漢 渇いた罪」と「殺されたミンジュ」と「禁じられた歌声」とをやるじゃん! その後は「ロブスター」「花、香る歌」「さざなみ」等々。バイクで10分圏内にこの映画館があってホントによかったわあ。(ただ、問題はヒマとカネ。トホホ。)

 <大阪アジアン映画祭>(3月4~13日)のプログラムが発表されました。詳細は→公式サイト参照。韓国映画はコンペティション部門のチャン・ムニル監督「豚のような女」、特別招待作品部門でチェ・ドンフン監督「暗殺」・イ・ジョンピル監督「花、香る歌」・チョン・ソンホ監督「いばらきの夏」。在日韓国人チョン・ソンホ監督「いばらきの夏」については→コチラ参照。
 4~5月大阪→東京→名古屋で順次開催される<花開くコリア・アニメーション2016>も公式サイト(→コチラ)に諸情報あり。個人的にうれしいのは一昨年末ソウルで惜しくも観られなかった長編アニメ「そばの花、運のいい日、そして春春」が上映されることです。

「朝鮮日報」2月5日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) 「キャロル」
   メロ映画の手本になる ★★★★☆


 「黒衣の刺客」
   武侠は皆同じ、ではない ★★★★


 「検事外伝」
   ドンウォンで笑うだけ ★★★

 「アルビン/歌うシマリス3兄弟:悪ガキ アドベンチャー」
   かわいければいいって? ★★☆


 「悪いやつは死ぬ」
   韓中合作映画の悪い例 ★★


 「悪いやつは死ぬ」は韓中合作のアクション・コメディ。済州島を訪れた4人の友人たちが交通事故の現場で偶然、気を失っている女性を発見。彼女を助けようとした善意はなぜか銃撃戦に・・・。その後も背信と拉致、誤認と混沌とした展開に・・・。他の4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。
           ★★★ Daumの人気順位(2月9日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(879)
②時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1193)
③悪い国(韓国)  9.0(154)
④ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ  9.0(48)
⑤Love letter(日本)  8.8(774)
⑥エターナル・サンシャイン  8.8(529)
⑦トーク・トゥ・ハー  8.8(56)
⑧アーロと少年  8.4(173)
⑨キャロル  8.4(81)
⑩内部者たち(韓国)  8.4(2753)

 ⑨「キャロル」だけが新登場です。日本でも2月11日公開。あら、<ぴあ映画生活>にはもう50人近くがレビューを投稿しているゾ。同サイトの特集記事「世界中の賞レースを席巻中 60年以上封印されてきた愛の名作『キャロル』が解禁!」という記事をぜひ参照されたし。(→コチラ。) (「60年以上封印」云々は、原作者パトリシア・ハイスミスと同性愛をめぐってのことです。) 韓国題は「캐롤」。

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.1(6)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑨女たちの影  7.3(3)

 ①と③が新登場です。
 ①「キャロル」については上述しました。
 ③「黒衣の刺客」(仮)は、日本では昨年公開されています。韓国題は「자객 섭은낭」と、原題「刺客聶隱娘」をそのまま音訳。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月5日(金)~2月7日(日)] ★★★
         人気アニメシリーズの新作「カンフーパンダ3」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(17)・・検事外伝(韓国) ・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・2,317,886・・・・・・・・3,323,038・・・・・・・・・26,381・・・・・・・1,701
2(1)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・550,275・・・・・・・・2,475,155・・・・・・・・・19,547 ・・・・・・・・954
3(24)・・アルビン/歌うシマリス3兄弟・・2/04・・・・・・・70,390 ・・・・・・・・・・81,811 ・・・・・・・・・・・595・・・・・・・・・379
       :悪ガキ アドベンチャー
4(16)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・48,877 ・・・・・・・・・・66,357 ・・・・・・・・・・・558・・・・・・・・・220
5(新)・・最強戦士 ミニ特攻隊・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・32,317 ・・・・・・・・・・37,560 ・・・・・・・・・・・282・・・・・・・・・347
       :英雄の誕生(韓国)
6(2)・・ロボット、ソリ(韓国)・・・・・・・1/27 ・・・・・・・・・・・・28,433・・・・・・・・・・377,756 ・・・・・・・・・・2,759 ・・・・・・・・295
7(3)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・24,590・・・・・・・・・・983,320 ・・・・・・・・・・7,402 ・・・・・・・・335
8(4)・・レヴェナント 蘇えりし者 ・・1/14・・・・・・・・・・・・・22,817・・・・・・・・1,946,586 ・・・・・・・・・15,610 ・・・・・・・・234
8(5)・・マネー・ショート ・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・16,748 ・・・・・・・・・399,673 ・・・・・・・・・・3,227 ・・・・・・・・113
       華麗なる大逆転
10(6)・・ヒマラヤ(韓国)・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・・・・5,372 ・・・・・・・・7,740,044 ・・・・・・・・・60,021・・・・・・・・・111
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今年の韓国は2月7日~10日がソルラル(旧正月)で(10日は振り替え休日)、6日(土)から5連休。その序盤の映画ファンの出足を見ると、これはなんと極端な数字か!? ベスト10初登場の「検事外伝」、カン・ドンウォンとファン・ジョンミンという人気俳優2人の共演とはいえ、もう300万人を突破しています。それ以外では、2位に落ちたとはいえ健闘している「カンフーパンダ3」を除いては上映館数の確保さえ大変な状態で、もろ影響を受けています。このあたりが日本とは違う韓国の上映方式の問題点です。
 今回の新登場は1・3・4・5位の4作品です。
 1位「検事外伝」は、韓国の犯罪コメディー。荒っぽい捜査で有名だった血の気の多い検事のビョン・ジェウク(ファン・ジョンミン)は、取調べ中の容疑者が変死体で発見された事件により殺人の嫌疑で逮捕され、懲役15年の刑を受けて収監されてしまいます。復讐の機をうかがいつつも刑務所での生活が5年を過ぎた頃、ジェウクは当時の事件を知るイケメン詐欺師チウォン(カン・ドンウォン)に偶然出会います。ジェウクは彼を刑務所の外で自分の指示通りに動く要員として使おうと、元検事の実力を発揮しチウォンを無罪放免にします。ところが自由を手にしたチウォンはジェウクから逃れようと虎視眈々と機会をねらっています・・・。原題は「검사외전」です。
 3位「アルビン/歌うシマリス3兄弟 悪ガキ アドベンチャー」(仮)は、アメリカのCGIアニメ(CGを使った3D)「アルビン/歌うシマリス3兄弟」シリーズの第4作。日本では劇場公開は第1作だけで2・3作はDVD販売のみでしたが、韓国では2007年以来劇場公開が続いています。今回は、歌手活動に区切りをつけた3兄弟が恋人のサマンサと一緒にに旅に出た主人のデイブを追っかけてデイブのプロポーズに待ったをかけようとマイアミに向かうというお話し。サマンサには、アルビンたち3兄弟を虐待して面白がるマイルズという悪ガキがいるというのがプロポーズ阻止の理由。ところが、飛行機に乗る時点から搭乗禁止はもちろん、航空会社のセキュリティ担当者に追われたりの大騒動。それでもマイアミにはなんとかたどりつくのかな? 韓国題は「앨빈과 슈퍼밴드: 악동 어드벤처」です。
 4位「キャロル」については上述の通りです。
 5位「最強戦士 ミニ特攻隊:英雄の誕生」は韓国製アニメ。ミニ特攻隊研究所のジェレミー博士は膨大な威力のエネルギーを持っている物質エリニウムを研究していますが、人間世界の支配までもくろむトカゲ軍団の隊長ゼウスは強力な武器を作るため研究所を襲撃してエリニウムを奪ってしまいます。このエリニウム奪還のため編成されたミニ特攻隊チームの精鋭たちははたして・・・という物語ですが、ストーリーも絵柄もなんか既視感が・・・。原題は「최강전사 미니특공대: 영웅의 탄생」です。※別に、ずいぶん洗練された感じのアニメをやってるなと思ったら「劇場版弱虫ペダル(겁쟁이 페달: 더 무비)」でした。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ユリシーズ・・・・・・・・・・・・・・・1975/12/28・・・・・・・・・・・・・・1,999・・・・・・・・・・・・・8,175・・・・・・・・・・・・・・16・・・・・・・・・・・2
2(2)・・ユース ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07 ・・・・・・・・・・・・・1,954 ・・・・・・・・・・・76,396 ・・・・・・・・・・・・593 ・・・・・・・・・22
3(3)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21 ・・・・・・・・・1,684 ・・・・・・・・・・・29,535 ・・・・・・・・・・・・221 ・・・・・・・・・18
4(36)・・ドレスメーカー・・・・・・・・・・・・1975/12/28・・・・・・・・・・・・・・・・899・・・・・・・・・・・・・2,296・・・・・・・・・・・・・・18・・・・・・・・・・・7
5(4)・・海街diary(日本) ・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・・・896・・・・・・・・・・・・93,092 ・・・・・・・・・・・・761 ・・・・・・・・・10

 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「ユリシーズ」は、イタリアのマリオ・カメリーニ監督作品(1954年)の再上映。韓国題は韓国公開時(1975年)は「유리씨즈」でした。今の表記では「율리시스」となるようです。
 4位「ドレスメーカー」(仮)は、ケイト・ウィンスレット主演のオーストラリア映画。1940年代、ティリー(ケイト・ウィンスレット)は、オーストラリアの小さな町で暮らしていた10歳の時、男の子を殺したという疑いをかけられ、ヨーロッパに逃げてきたという過去がありました。その後彼女はパリで有名なファッションデザイナーのマドレーヌ・ヴィオネからトレーニングを受け、仕立て屋としての技術を身につけていきます。そんな彼女が母親の看病のため久しぶりに故郷に戻ってきます。華やかなドレスをプレゼントにして、彼女を警戒していた人たちの心を捉え、また母親の面倒をみてくれていたテディ(リアム・ヘムズワース)との新しい恋も始まります。しかし、しばしの平和な時の後、ティリーは過去の事件の背後に隠された秘密を探るとともに、町に戻った真の理由すなわち復讐を開始するのでした・・・。韓国題は「드레스메이커」。日本公開は未定のようです。

安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[2]

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 2つ前の記事の続きです。前の記事では、安倍能成がエッセイの中にある「だめを押すようにしつこく鳴くメコン蛙」というカエルがジムグリガエル、韓国語でメンコンイ(맹꽁이)というカエルの一種であることを書きました。
 カエルのことは韓国語でケグリ(개구리)といいます。初級レベルで出てくる単語ですね。鳴き声のケグルケグル(개굴개굴)に由来する言葉ですが、鳴き声にはケゴルケゴル(개골개골)とかケグルルルルルル(개구르르르르르르)という表現もあるそうです。「아기는 개골개골 아빠는 개굴개굴(子供はケゴルケゴル お父さんはケグルケグル)」というタイトルの児童書があるところからみると、개굴개굴は「げろげろ」、개골개골は「けろけろ」といったニュアンスでしょうか?
 そういえば「故郷の春」や「鳳仙花」の作曲者として知られる洪蘭坡(ホン・ナンパ.홍난파)が作曲した代表的な童謡に「ケグリ」がありますが、その歌い出しも「개굴 개굴 개구리」です。(→動画。ソウル市少年少女合唱団による本格的な合唱は→コチラ。)
 一方、ケグリに対してメンコンイの方の鳴き声の場合はメンコンメンコン(맹꽁맹꽁)。なんでケグリと全然違うのかよくわかりません。
 まあ外国人にしてみれば日本人の耳にはなぜマツムシやウマオイの鳴き声をチンチロリンとかスイッチョと聞こえるのかわからないでしょうが・・・。
 ・・・ということで今回の本論へ。

⑤「メンコンイ打令(맹꽁이타령)」という歌が2つあり、流行歌(新民謡)の方は70年以上親しまれている(かな?)
 先の記事で紹介した「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)の中で、「ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して」という歌詞で始まる「メンコンイ打令(タリョン)」という歌が紹介されています。記事では京畿民謡とありますが、正確には最初1938年に作られ、パク・タンマ(박단마)(1921~92)という女性歌手が歌った新民謡で、当時はタイトルも「アイゴナヨ、メンコンよ(아이고나 요 맹꽁아)」だったそうです。この歌は2014年「歌謡舞台」(KBS1)でチョン・スビンが歌ったり(→動画)や、なんだか楽しそうに公園で歌ってる(?)動画(→コチラ)等もあったりして、それなりに歌い継がれてきていることがうかがわれます。
 YouTubeに、最初のパク・タンマの歌があったので貼っておきます。


 現代の歌謡曲と比べると素朴な感じがする歌い方です。「맹이야(メンイや) 꽁이야(コンイや)」とかけ合いのように歌う部分で「メンイや」を高く、「コンイや」は低い声で歌っているのは「メンイ=雌、コンイ=雄」というのがふつうなのかもと思いましたが、それは考え過ぎでした。
 歌詞は「中央日報」の記事によればおよそ次のような内容です。(1番のみ)

  ヨルムキムチを漬けるときはあなたのことを思い出して / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
  畦のメンコンイよ、お前はどうして泣くのか / 憂いてばかりのこの心情を揺らすのか
  メンよコンよ / お前まで鳴き/ やれやれメンコンよ、どうすればいい

  열무김치 담글 때는 님 생각이 절로나서 / 걱정많은 이 심정을 흔들어주나
  논두덕에 맹꽁이야 너는 왜 울어 / 아~음 걱정 많은 이 심정을 흔들어주나
  맹이야 꽁이야 / 너마저 울어 / 아이고 데고 요,맹꽁이 어이나 하리

 ・・・というわけで、つまりは産卵期のメンコンイの鳴き声に心をかき乱される女性の歌です。

 もうひとつのメンコンイ打令は、京畿道に伝わるフィモリ雑歌(휘모리잡가)という伝承歌謡というかなんというか・・・。まあ聴いてみればおよそわかる、ということで、これも動画を貼っておきます。別に男性3人が座ったまま歌っているものもあって、たぶんそちらが本来の形と思われますが、視覚的に美しい女性のステージの方にしました。


 歌詞は画面隅にありますが、かなりむずかしい感じ。ソウルのいろんな所に住むメンコンイの暮らしぶり(?)をおもしろく描いている感じかな?

 いずれにしても、このメンコンイというカエル、あの昔話(→コチラ参照)で有名な青ガエルには及ばないにしても、昔から韓国の人たちには親しまれてきた生き物のようです。

 このシリーズ、2回だけで終わるつもりだったのですが、さらに全然性格の違うネタがまだ残っているので、もう1回続けることにします。

‘広告の天才’イ・ジェソクの奇抜な広告アートの数々[その3]

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 → [その1]
 → [その2]

 今回がシリーズ最後の記事です。メッセージ性が強いものを中心に並べてみました。

         反戦キャンペーン。英文の表題は"What goes around, comes around. "、韓国語は「뿌린대로 거두리라(蒔まいた種は自分で刈り取れ)」。つまり「自業自得」。2009年5月世界三大広告賞の1つ、ニューヨークのTne One Showで1位を獲得した作品です。横長のポスターを円柱に巻くと、敵を狙った武器が背後から自分に返ってきます。

       どちらも飲料水支援キャンペーン関係。左はで、「この中が水なら村の皆が飲むにも十分です」というコピーがついています。右は「中央日報」の記事(→コチラ)より。2014年3月22日のに合わせた‘WATER 4 CHILD’というキャンペーン。ソウル市の清渓川。飲み水の不足に悩むアフリカの少年が大きなストローをくわえている造形物。<その2>の記事にもあった緑の傘子供財団はアフリカ等に213の井戸を設けて4万人の子どもたちがきれいな水を飲めるようにしたとのことです。

 これも飲み水に関わるもの。「ある母親はぜいたく品を求めて1㎞の道を行き、ある母親は飲み水を汲みに1㎞の道を行く。」

       左は、「銃砲関係かな?」と思いましたが、ニューヨークに本部を置く環境保護団体NRDCのための広告で、「大気汚染で年間6万人が死亡しています」というコピーがつけられています。右は「環境があなたを見守る。」。

       次は使っていくうちに減っていく小物です。左は地球温暖化。ローソクの地球が溶けていきます。右はタバコの害。バースデーケーキのローソクに見立てられた紙マッチでタバコに火をつけるごとにローソクの本数が減っていきます。
 続いて政治がらみのメッセージ。

       左は地下鉄・国会議事堂駅近くにある国家報勲処情報資料室のビル。2013年2月の愛国(ナラサラン)キャンペーン。←これは実際のものですが、右はもちろんそうてはありません。2009年4月の北朝鮮のミサイル実験に対するもので、同年8月のワシントンポスト紙1面に大きく掲載されました。「MEALS, NOT MISSILES.」というタイトルがつけられています。「ミサイルじゃなく、食糧」。そして「食糧援助のお金はどこに行ったと思いますか?」と記されています。
 次はカチンとくる日本人がたくさんいそう・・・。

 2013年8月鬱陵島に立てられたパネル。海面上の小さな島はもちろん竹島(独島)です。

      この2つは反安倍の日本人でも抵抗感があるのでは? 左は2008年8月のニューヨークのマンハッタン。表題は'STOP ISLAND THEFT'、韓国語では「섬 도둑질 그만」。つまり「島泥棒はやめろ」です。右は2013年2月の安倍首相糾弾のポスター。下のハングルは見出しが「人気取りのために国を売っている」、その下には「安倍の攻撃的な右傾化政策は日本をアジア周辺国から公共の敵とし、国際社会から孤立させているのだ。日本とアジアそして世界平和を担保とした彼の人気取りのための政治賭博は即時中断されなくてはならない。」と記されています。内容の是非はおくとして、この2つの表現手法はえげつないといった感じがしてしまいます。とくに後者については韓国内でも批判的な見方もあるようです。日本のサイト(→コチラ)でも取り上げられていて「そのデザインがなんとも不気味であることが判明。これには、韓国のネットユーザーたちも「これはないわ」とドン引きしているという」等々と記されています。まあなんのかの言ってもイ・ジェソクさんも韓国の国民ということです。

 以上でこのシリーズは終わりですが、最後に記事の流れで載せられなかった画像をまとめて載せておきます。

      ソウル市瑞草警察署盤浦地区隊の建物。「112は緊急の犯罪申告の電話です」とありますが(左)、側面を見ると「112への間違い電話は緊急出動の足を引っ張ります」と・・・。

      左は2010年3月「朝鮮日報」の<才能を分けあいましょう(재능을 나눕시다)>キャンペーン。あげる方にとってはわずかなことでも、受け取る側には大きな贈り物。モデルの女の子はドラマ「明日に向かってハイキック 」(MBC)等に主演していたソ・シネちゃん。あ、もう子役卒業か。右は整形外科の広告なのだそうです。

安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[3] 昔はあんなにいたのに、今は貴重な存在に

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 → <安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[1] メコン川は関係ナシ>
 → <安倍能成がうるさがった「メコン蛙」の正体とその現在[2] 歌を2つ紹介します>

 朴婉緒(パク・ワンソ)の小説「그 많던 싱아는 누가 다 먹었을까(たくさんあったあのイタドリ(スイバ?)は誰が食べたのか)」や、あるいは文貞姫(ムン・ジョンヒ)の詩「그 많던 여학생들은 어디로 갔을까(大勢いたあの女学生たちは皆どこへ行ったのか)」の表現を借りれば、「그 많던 맹꽁이들는 지금 어디로 갔을까(たくさんいたあのメンコンイは今どこへ行ったのか)」・・・というのが今回のテーマです。

⑥メンコンイは都市化の進行、水質汚染、農薬の害等によって棲息地がどんどん減少して絶滅危機動植物に指定されるに至ったが、そんな中で近年生態環境のマスコットとなって復活した。
 日本では、1960年代高度経済成長が進展する一方、とくにその後半から公害が大きな社会問題となりました。そして70年代に入り、「環境・自然・健康」等をスローガンにしたさまざまな運動が展開されるようになりました。
 韓国の場合も、私ヌルボの持論(笑)の<日韓を分ける24年差の歴史>(→コチラコチラ参照)にこれまた合致しているようですが、やはり産業・経済の急速な発展の時期を経て、2000年前後あたりから「環境・自然・健康」への関心が一気に高まったのではないかと思います。
 メンコンイについても、それまでどんどん棲息地が減少していって、今世紀に入って気がついた時には環境部指定の絶滅危機野生動植物Ⅱ級になっていた、というところでしょうか。
 ※II級は、絶滅の危機に瀕しているⅠ級レベルに次ぐもので、現在の脅威要因が除去されたり緩和されない場合に、近い将来に絶滅の危機に処するおそれのある種のこと。
 先の2回の記事で「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)を紹介しましたが、その見出しは<ジムグリガエル(メンコンイ)の集団移住>というものです。つまり、宅地造成等でメンコンイの棲息地の湿地等が埋め立てられる時、メンコンイたちも無慈悲に(笑)生き埋めにしたりせず、事前にそこのメンコンイを採集し、他の安全な所に移すというもの・・・、いやそれでオシマイではなく、元の地に新たに湿地を造成し、完成後にまたメンコンイたちを戻す。これでメデタシメデタシとなるわけです。この2010年の記事によると、最初のメンコンイ移住プロジェクトは2006年で、開発業社自らが上記の作業を行ったそうです。「2年間で117匹のメンコンイを採集し「ソウルの森」に移した。移住費だけで3億ウォン。これらジムグリガエルは50億ウォンをかけて造成する再建築湿地に2011年帰ってくる予定」とか、まあずいぶん多額の負担ですね。(移住費だけでも1匹当たり日本円で30万円!?) また労力も・・・。  それ以外にも、仁川の桂陽山ではメンコンイ保護のためゴルフ場開発が阻止されたようだし、またこの記事が載った頃、漢江ノドゥル島のメンコンイがノウル公園の生態湿地に移住し、漢江芸術島の工事が終わる2014年6月に戻る予定なのだとか・・・、もう戻っているのでしょうね。

 さて、メンコンイ関係の画像の中にあったのがたとえば右のポスターです。2013年ソウル近郊の河南(ハナム)市による<2013メンコンイ学校 メンコンイ救助団募集>のお知らせ。家族単位で120人募集し、市庁の大講堂で室内教育を受け、なんと6月中50㎜の雨が降ったら夜7時から救助活動を行うんですと! →コチラの記事によると同市では環境団体が公園内のマンホールに落ちて溺死寸前のメンコンイや道を横断中のメンコンイの救助活動もしていますよ。

 このようにメンコンイの種の保存が自然環境保全との関連で関心が高まる中、韓国最大の
メンコンイ棲息地として宣伝(?)しているのが大邱市の大明川遊水地で、下画像のような掲示板を設けたり、またここでも子供たちによるメンコンイ救助活動が行われています。

 ※この大明川遊水地のすぐ近くに、琴湖江と洛東江が合流する地点に位置する大邱達成湿地があります。韓国最大の内陸湿地で、多様な植物が見られるほか、アオサギなどの渡り鳥が訪れる所で、なかなか眺望が良さそう。行ってみたくなりました。

 最近の情報では、上述のような保護活動の成果があったためか、メンコンイを絶滅危機野生動植物から除外する動きも出ているようですが、反対の声も強いので今後どうなるかはわかりません。

 以上でメンコンイについての3回続きのシリーズはおしまいですが、第1回の記事でちょっと気になったのが同じ安倍能成のエッセイに出てきた南山蛙というカエルのこと。これもよくわかりませんが、2005年の「東亜日報」に<カエルやサンショウウオを南山に放す>といった内容の記事が見つかりました。(→コチラ.韓国語。) それによると「ソウル市は、生態系が断絶した南山に池など小規模生物の棲息地を造成し、山カエル(サンケグリ.산개구리)5000匹、ヒキガエル(두꺼비)5000匹、サンショウウオ(도롱뇽)100匹等、両生類や爬虫類約1万匹、またリス(다람쥐)も50匹を放した」とのことです。また担当のムン課長は「今後は人工繁殖技術により金カエル(クムケグリ.금개구리)(右画像)まで放す対象にしたい」とも語っています。(※このクムケグリというカエルもメンコンイ同様絶滅危機野生動植物Ⅱ級に指定されています。) もしかしたら、かつて京城にい日本人たちが南山蛙といっていたのはこのサンケグリ、またはクムケグリのことなのかもしれません。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月12日(金)~2月14日(日)]

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 今日2月16日は福岡刑務所で尹東柱(ユン・ドンジュ)が満27歳で獄死した日(1945年)です。たぶんそれに合わせて明日17日韓国では映画「동주(東柱)」が公開されます。私ヌルボ、3月末に韓国に行く予定ですが、はたして観られるかどうか? 日本では一般の劇場公開はむずかしい、かな? ただ、「聯合ニュース」(日本語版)のイ・ジュンイク監督のインタビュー記事(→コチラ)を見ると、「京都の同志社大にある尹東柱の詩碑を見て、「自分たちで殺しておいて、詩だけは愛する? 詩人の人生にはわれ関せずというのは、不道徳なのではないか」と疑問を持った」という発言もあって、ヌルボとしてはといったものに日韓間のズレといったものがあるように思いました。(昔の歴史との連続性とか、民族としてのアイデンティティとか・・・。)

 12日「キャロル」を観ました。「シネ21」のソン・ギョンウォン記者が「(早いが)今年最高のエンディング」と書いていたのには同感! しかし<ぴあ映画生活>の読者レビューにはそのことを書いたものがないのはなぜ? また大方のレビューが「美しい」というばかりで、1950年代の社会の(同性愛についての)「常識」の問題性にふれたものがほとんどないのもなんだかなー、です。<DAUM映画>のネチズンの平均評点が7.9ですが、専門家11人は全員8.0以上で平均9.0。私ヌルボも(早々と)今年のベスト10入り確実といったところ。上記の<DAUM映画>のネチズンの寸評を見ると、たまに「子供もいるのに勝手だ、ケシカラン!」と5点以下るいは0点をつけている人もいて、まあそんなところでしょう。この作品にしても、「チョコレートドーナツ」等にしても、時代がここまできたから映画も作れて採算も取れるというわけです。しかし、今でもまだ「タブー」はありそう・・・。

 全然タブーでさえもないのに、政治権力が権威をカサにきてメディアの規制をもくろむというのは一体なんという了見(←死語?)なんでしょうか? (一応)民主国家という日本の「美点」を、日本に誇りを持っていると自分では思い込んでいる人たちがないがしろにするというのは困ったものです。
 同じように、韓国では釜山国際映画祭に釜山市や政府が政治的に介入して、これに抗議する国際世論が高まっています。<シネマトゥデイ>の関連記事「行政からの圧力受ける釜山国際映画祭 ベルリン国際映画祭で共同声明集会決行!」は→コチラ。また「中央日報」(日本語版)のサイトでも「中央SUNDAY」の「残念な釜山映画祭議論」と題した記事(→コチラ)を掲載しています。(社内記者でなく「タイム」の首席評論家Stephanie Zacharek氏の寄稿という点が保守紙としての限界?)

「朝鮮日報」2月12日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。) 「ドレスメイカー」
   復讐、華麗にして優雅に ★★★☆


 「ポンゲマン」
   子供が好きならいいか ★★★


 「劇場版アイカツ!」
   子供とマニアのために ★★★

 「メリス」
   実話を読む方を勧める ★★

 この4作品についてはいずれも下の記事中で紹介しています。
           ★★★ Daumの人気順位(2月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.0(914)
②時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1195)
③悪い国(韓国)  8.9(156)
④Love letter(日本)  8.8(775)
⑤エターナル・サンシャイン  8.8(531)
⑥アーロと少年  8.4(186)
⑦兄への想い(韓国)  8.3(981)
⑧ロボット、ソリ(韓国)  8.3(196)
⑨ボーダーライン  8.2(332)
⑩海街diary(日本)  8.0(84)

 順位変動はありましたが、新登場はありません。日本映画が3作入っているのはめずらしい。前にもあったかな?

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.1(6)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑧アスファルト  7.5(4)
⑨リトルプリンス 星の王子さまと私  7.3(3)
⑨女たちの影  7.3(3)

 順位・評点とも前回と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月12日(金)~2月14日(日)] ★★★
         「検事外伝」が早くも800万人突破

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・検事外伝(韓国)・・・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・1,363,015・・・・・・・・8,075,013・・・・・・・・・64,786・・・・・・・1,648
2(2)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・367,929・・・・・・・・3,693,170・・・・・・・・・29,224 ・・・・・・・・737
3(新)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・88,000 ・・・・・・・・・・88,585 ・・・・・・・・・・・795・・・・・・・・・128
4(新)・・劇場版アイカツ!(日本)・・2/11・・・・・・・・・・・・79,282 ・・・・・・・・・101,434 ・・・・・・・・・・・753・・・・・・・・・254
5(4)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・・・2/04・・・・・・・・・・・・・75,340 ・・・・・・・・・220,717 ・・・・・・・・・1,858・・・・・・・・・283
6(3)・・アルビン/歌うシマリス3兄弟・・2/04・・・・・・・・61,160 ・・・・・・・・・266,779 ・・・・・・・・・1,949・・・・・・・・・327
       :悪ガキ アドベンチャー
7(26)・・ポンゲマン(韓国)・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・45,077 ・・・・・・・・・・53,343 ・・・・・・・・・・・406・・・・・・・・・393
8(19)・・ドレスメイカー ・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・31,353 ・・・・・・・・・・41,168 ・・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・176
9(5)・・最強戦士 ミニ特攻隊・・・・2/04 ・・・・・・・・・・・・21,929 ・・・・・・・・・109,324 ・・・・・・・・・・・823・・・・・・・・・222
       :英雄の誕生(韓国)
10(7)・・兄への想い(韓国) ・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・19,045・・・・・・・・1,059,900 ・・・・・・・・・・7,993 ・・・・・・・・230

     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「検事外伝」が公開から12日目の昨日(15日)観客動員800万人を超えました。少し勢いは鈍ったとはいえ、もう現時点で1000万人超えは確実です。ただ、先週も書きましたが他の作品がそのあおりで上映館数の確保さえ大変な状態。以前とは別の形で「スクリーン・クォーター制」を実施すべきとの声も出ているとか・・・。
 今回の新登場は3・4・7位の3作品です。
 3位「デッドプール」は、マーベルコミックスの同名キャラクターを基としたアメリカのSFアクション。ニューヨークで10代の女性の用心棒をしながら生活している元特殊部隊出身の傭兵ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は末期がんと診断され、その治療と引き換えに極秘の人体実験の被験者となります。施設でフランシス(エド・スクライン)から謎の薬品を投与され、拷問のような実験を受ける中、彼は超人的な治癒力を身に付けますが、暴走したがん細胞の影響で全身が火傷を負ったようになり、顔も醜く歪んでしまいます。その姿を自分でも受け入れられない彼はマスクを付けたスーパーヒーローのとして生まれかわります。そして彼は自分の身体と人生を壊した上ガールフレンドのストリッパーであるヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)を拉致して去ったフランシスとその組織の後を追います・・・。うーむ、相当にキテレツだなー。韓国題は「데드풀 」。日本公開は6月です。
 4位「劇場版アイカツ!」については、日本アニメといっても例のごとく私ヌルボに語る資格ナシ。「2012年にデジタルカードゲームとしてリリースされ、テレビアニメ版も子どもたちから人気を集めている」とか。ふうん・・・。韓国題は「극장판 아이엠스타 : 꿈의 오디션!(劇場版 アイアムスター:夢のオーディション)」です。
 7位「ポンゲマン」は、直訳すれば「イナズママン」。子供向けの実写ヒーロー物。そういえば、1970年代石森章太郎の漫画が原作のイナズマンというのがあったな。ポンゲマンとは制服(というのか?)の色合いは似てます。青地に黄色で・・・って稲妻だから当然か。サンダーマンというのはアメリカ製か。ポンゲマンはEBSの番組「集まれディンドンデン」で2000年に初登場。イナズマパワーという特殊能力がありながらも、バッテリーが切れてくると力が弱まるという弱点はありますが、子供たちの応援の力を集めて復活するみたいですよ。さてこの映画は、番組でもおなじみのおもちゃの国ジョイランドを狙う悪党チャルナン魔王たちをポンゲマンがやっつける! そうそう、「잘난(チャルナン)」=「偉そうな(ろくでもない)」ヤツはやっつけないとな。(笑) 原題は「번개 맨」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(4)・・ドレスメイカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・31,353・・・・・・・・・・・・41,168・・・・・・・・・・・・・331・・・・・・・・・176
2(新)・・メリス(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・・5,107・・・・・・・・・・・・・8,132・・・・・・・・・・・・・・64・・・・・・・・・132
3(2)・・ユース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・1,929 ・・・・・・・・・・・81,977 ・・・・・・・・・・・・638 ・・・・・・・・・・19
4(3)・・ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります・・1/21・・・・・・・・・1,577 ・・・・・・・・・・・33,713・・・・・・・・・・・・・253 ・・・・・・・・・・13
5(5)・・海街diary(日本)・・・・・・・・・・・・・・・・・12/17 ・・・・・・・・・・・・・・・797・・・・・・・・・・・・95,308・・・・・・・・・・・・・781 ・・・・・・・・・・・7

 2位の「メリス」だけが新登場。韓国のスリラーです。学生時代家計が苦しくなり、社会から見放されたまま徹底的に自分を隠して生きてきたチェ・ガイン(ホン・スア)は、ある日偶然に女子高時代の親友パク・ウンジョン(イム・ソンオン)と出会います。幸せな家庭と安定した職場で暮らすウンジョンを見て、ガインは自分にないすべてのものを持っているように感じ、激しい嫉妬を覚えます。何も持っているものがない自分の姿にみすぼらしさを感じた彼女は、徐々に自分がウンジョンだという妄想にかられていき、ついにはウンジョンの生活をまるごと盗もうとしますが、その残酷な計画の結末ははたして・・・。原題は「멜리스」です。

2004年8月1~6日 「中国東北部と中朝国境の旅」全記録 ⑨5日目午前:瀋陽(平頂山・撫順戦犯管理所等)

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※参考図書からの引用は、次のような略号で記した。
 「中国歴史散歩 1」(山川出版社.1993)=[歴]
 「地球の歩き方03~04 大連と中国東北地方」(ダイヤモンド社.2002)=[地]
 谷崎光「北京の愉しみ」(角川春樹事務所.2004))=[北]
 岡田和裕「満州辺境紀行」(光人社.2003)=[満]

◎5日目:8月5日(木)
 ~8:050 グロリアホテル>・6:30起床。12Fの部屋。外を見ると瀋陽北駅(下左写真)。下右写真は北站路を見下ろした眺め。後で調べると筋向いの格林大飯店の玄関口。([地]市街には昔ながらの造りの瀋陽駅もある。東京駅・ソウル駅とともに<赤レンガ三姉妹>。地元の人はとよんでいる。) 空気は汚れてる感じ。      朝食バイキングはなかなか豪華。お土産ショップにドラえもんとしんちゃんの人形があった。両替1万円→725元。 8:05~9:20 (バス)・「撫順までは40㎞くらい。瀋陽では通勤の7割以上が自転車。バスが3割。市内人口506万人で自転車は300万台。タクシー3万台を含め車合計10万台。朝のラッシュは7~8時だがこの頃は10時頃までに延びている。夕方は17~18時。」
・沿道にフォルクスワーゲン、ニッサン、ホンダ等の販売店が並ぶ。

・以下紫色は呂さんの説明部分。「子供の頃の楽しみはまず旧正月。そしてお客さんが来ること。ごちそうが食べられたから。毛沢東時代、庶民の楽しみは自転車。当時は1台150元くらい。とくに上海製の自転車。そしてミシン。1978年以降小平さんの時代から、黒でも白でもネズミを取るのがいいネコということで、食べる物の心配がなくなった。今は健康への関心が高まって、魚・野菜・大豆を食べるようになってきた。ブタを飼う農家はもうからない。むしろミルクの需要増で乳牛の方がいい。主食は昔はコーリャンやトウモロコシだったが今は白米や小麦の饅頭。退勤時にギョーザを買って帰るなどしている。80年代の楽しみは冷蔵庫・テレビ・エアコン。2000年代は車・マンション・海外旅行。行く先は台湾・西安・韓国・ヨーロッパ等。60年代に女性が結婚相手に求めたのは①月収60元ならOK②おとなしい人。今は①ウサギのようにやさしく②ニワトリのように早起きして③ブタのようによく食べ④牛のように働き⑤イヌのように忠実。」
・「土地は依然として国有。1980年代は結婚したら国から家をもらったが、90年代以降は自分で。」
・瀋陽→撫順は車用の広い道路。「道の50m以内には木を植えるようになっている」とのこと。
・8:47撫順市に入る。「撫順は遼寧省4番目の都市。車のナンバーで遼Aは瀋陽、Bは大連、Cは鞍山、Dは撫順。」
・の看板。というのをけっこうみかけるがダイエット関係か。
・工業都市とあって、工場群が見えるが、やはりここでも石炭は斜陽産業なので、転職者が多いとか。 9:20~9:23 西露天鉱・社会科の教科書等でよく見た露天掘り炭鉱。「深さ300m、南北2㎞×東西6.6㎞。埋蔵量、あと20年はOK。」
 9:23~9:30 (バス) 9:30~10:23 平頂山惨案遺址紀念館・1932年抗日ゲリラ鎮圧の名目で日本軍がこの地の村人約2~3千人(?)虐殺。うち約800体の遺骨が1970年に掘り出され現場に遺骨館が建てられたとのことである。
・入口にはとある。修学旅行(遠足?)で遼陽の中学校の生徒たちがバス4台で来ていた。
・慰霊塔から階段を下りたところに紀念館。入ったすぐに1932年当時の村の模型。館員の説明を呂さんが通訳。模型は生き残った人の記憶で作ったとのこと。500世帯で約3000人が南北に長い集落に居住。床屋・風呂屋等がある田舎の村。虐殺現場は120mほど離れた所。1932年9月15日に抗日ゲリラが日本人商店・事務所を襲撃、炭鉱の機械を破壊。16日朝190人くらいの警察・憲兵がトラック4台で来て村を包囲。各家庭をまわり「記念写真を撮る」と言って家から追い出す。家に火をつける。1時間ほどで虐殺。生き残った人が逃げようとしたら、再び日本人が車から下りて撃ち、2度目の虐殺となった。結局生き残ったのは40人くらい。遺体はガソリンをまいて焼き、山の土で埋めた。遺体はほとんど口を開けている。老人や女性が多い。頭に刀の跡があるもの、2体並んでいるもの等々。処々に「子供の死体」等々の小さな説明板。日本語・中国語が表裏に書いてある。入口でわれわれへの説明間待っていた中学生たちは先生の説明を聞きながら見学。(中国語ができれば何か話したいところ。)
・パンフレットを購入。5元。
・添乗員氏の話では、沈さんからの連絡によると延吉空港で結局私の財布は見つからなかったとのこと。やっぱりね。
    
 10:23~10:46 (バス))・将軍橋を渡り市の中心部にさしかかる辺り、路傍に座っている人たちがいる。「アルバイトさがしの人たちです。」
・という名の道があった。中国には北京にがあったり上海に南京路があったり・・・。 10:46~11:27 撫順戦犯管理所・[地]1950年から1300余人を収監。

・1936年日本が支配していた頃の撫順典獄に始まる。の再教育施設。溥儀も。紅青もここに3年間収容されていた。文革の時には館長が吊るし上げにあったとのこと。
・日本軍が殺害した人民の数が949,814人とあったが・・・。
・<改造末代皇帝陳列室>は溥儀関係のものを陳列。結婚当時の皇后婉容17歳の写真は以前見た。たしかに美人。(溥儀は候補4人中妃となった文繍に印をつけたそうだが、フーム。)
・古海忠之という元高級官僚。最近「獄中の人間学」という本を出している。
・BC級戦犯で死刑に処した数はアメリカ140・イギリス・223・オーストラリア153・オランダ(荷兰と書くのか)226・中国国民政府149・フランス63・フィリピン27・計971。で中国は0。
・日本人戦犯、1956年判決、64年釈放も。釈放は1957~64年。
・<中归联>(中国帰還者連絡会(正統))という組織あり。帰国後ホームページを見る。1965年文革をめぐる対立から日中友好協会と同様代々木・反代々木で分裂、後者は(正統)をつけた、とある。(極東書店から反代々木が分裂して東方書店ができたのも同様。)
・という記念写真あり。
・露天舞台や理髪室等あり。
・パンフレット2冊。計75元。 11:27~12:54~12:59 (バス)
 (徒歩)・車窓から看板を見る。という看板は塾かな? <Mr.Leeの牛肉麺大王>というのは帰国後の調べではそれなりに知られているチェーン店のようだ。食堂のメニュー、粥1元から。
・12:10~12:20事故?だかで渋滞。
・瀋陽の中心部へ。中街は清代からの繁華街とか。肯徳基(ケンタッキー)も吉野家もある。東順城路→朝陽路。
・バスを降りて少し歩く。途中中国工商銀行瀋陽支行は元は1905年設立の東三省官銀号で、これは東三省最大の地方銀行だったと碑文にある。回転寿司の店もある。6人くらい客がいた。 12:59~13:50 老边饺子館(昼食)・[地]1829年創業の餃子の老舗。
・日本にも店があるとのこと。そういえば以前行った新宿西口か。帰国後調べるとその通り。南口にも支店があるのか。
・明るく清潔な雰囲気で、ずいぶん繁盛しているよう す。
・は小餃子をキクラゲやクコ等々と煮込んだ鍋。ホンタイジが大好きだったとのこと。


【11年半後の付記】
・このシリーズの前の記事(→コチラ)から1年以上空いてしまいました。この旅行の大きな目的だった延辺朝鮮族自治州に足を踏み入れ、長白山(白頭山)に登り、図們大橋から対岸の北朝鮮を眺め・・・というところまで終えて、気が抜けてしまったかも・・・。文章自体は2004年に打ち込んだものをコピペすればほとんどOKなのですが、HTMLで表作成という作業が知識ゼロのレベルから始めていまだに試行錯誤の連続で、けっこう時間がかかってしますのです。(泣)
・私ヌルボ、旅行する時にいつもこんな分刻みの記録を取っているわけではありません。実はちょっとムキになる「事情」があったわけで、それは最後に<旅行の総括>の中で書きました。いずれ公開します。いや、公開しないままだと後悔する・・・って、今再確認したら、1万字以上あるぞ。それだけでも2~3回分になってしまいそう・・・。

韓国の運転免許制度事情 「簡単すぎる」試験、年内に改定の見通し

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 2月18日(木)免許証の更新で二俣川の運転免許試験場に行ってきました。
気が乗らないことをしなければならないのはすごく苦手で、かなり前から気にはかかっていたものの、結局足を運んだのは期限切れ4日前。

 今まで何度も来た試験場ですが、講習の教官の話では1963年にできて今年で63年目とのことで、近く移転したがんセンターの跡地に新しく建てて移るのだとか。というわけで、次に来る時にはこの建物はありません。で、一応写真を撮っておきました。
 とくに今回は、目の酷使によりドライアイ気味で視力がちょっと心配だったのですが、無事通過。やれやれ。私ヌルボ、「運転が示すあなたのお人柄」の標語そのままの優良ドライバーですが(笑)、過去減点ゼロはたぶん1回だけで、今回は30㎞/h制限の道を10㎞/hちょっとオーバーしたことが1度あって1時間の講習受講。大体そんなもの。で、毎度思うのは、この1時間の講習が全然タイクツではないこと。実際のドライブレコーダーによる事故等の記録で構成された映画(30分)、自己診断(13分)、講義(17分)といった内容で、講義も「危険行為を繰り返す自転車運転者の講習第1号は大阪の人で、2号は東京」とか「環状交差点は県内ではアリーナの近くと金沢区柳町(←知ってる!)の2ヵ所」とか、フムフムと聞いているうちに終わっちゃいました。この1時間に比べると、高校の(ふつうの)授業はいかに長く感じられることか・・・。

 さて、運転免許といえば韓国関係で最近話題になっているのがその簡単すぎる試験をめぐるあれこれ。たとえば2015年8月27日<レコードチャイナ>の「「50メートル直進で合格」韓国の簡単過ぎる運転免許試験に、中国人が大挙押しかけ」と題した記事(→コチラ)。
 「2011年に国民の負担軽減を目的に運転免許試験が大幅に簡略化されて以来、中国から免許取得のため訪韓する人が増えているが、一方で安全に対する懸念も高まっている」という韓国・YTNテレビの報道を伝えています。あまりに簡単に、また安く免許を取得できるので、中国等から大勢免許目的で来るようになり、上海市は韓国での取得免許を認めない方針を決めたとも・・・。
 また、今年1月31日の<IRORIO>「簡単に取れすぎて怖い?韓国の運転免許試験」という記事(→コチラ)には、「日本の場合、数ヶ月間教習所に通うか、合宿で2週間程度」はかかるのに「韓国では全く運転知識や技術がない人でも最短3日間で取得できてしまいます」というその試験がいかに簡単かを示すとともに、「免許取得1年未満のドライバーの事故件数が、2010年8,200件から2012年9,200件と24%増加」しているという数字をあげています。
 ここで、とくに「簡単になった」というのは技能検定のことです。

 日本では、免許を取るには、次の[A][B]の2つの選択肢があります。
[A] 自動車教習所で、①技能検定(教習所内) ②技能検定(路上) ③運転免許センターで学科試験
[B] 運転免許センターで、①技能検定(センター内) ②技能検定(路上) ③学科試験

 韓国でも、日本と基本的に同じです。ところが2011年韓国道路交通公団は次のような内容の「運転免許試験制度の改善」を発表し(→コチラ参照.韓国語)、これに基づいて道路交通法が改正されました。

○「運転免許試験場内の技能試験」を大幅に縮小する。道路走行試験(路上)と重複し、実際の運転にさほど役立たない。教習所(韓国語では運転専門学院(운전전문학원))での技能講習を25時間から8時間に減らす。試験場内の技能試験はOECD加盟国では韓国と日本にしかない制度で、米英などでは学科試験や適性検査に合格すると練習免許を受けて、道路で運転の練習をして試験を受けることができる。自動車は道路を走行するためのもので、運転の練習も当然道路ですることが望ましい。
○試験場内の技能試験は簡素化するが、ほとんどの先進国で実施されるように道路走行試験は厳格に行い、交通安全が担保されるようにする。
○試験場内の技能試験が難しいため、大半は自動車教習所を利用しているが、このために少なくとも9日、平均76万ウォンほどの費用がかかり、時間的・経済的負担になっている。庶民の生計と学業のため、この負担を軽減しなければならない。

 ・・・というわけですが、この字句の通りとくに若年層の負担軽減が第一目的だったのか、李明博大統領(当時)の「人気取り」政策だったのか、あるいは別に「何か」ねらいがあったのか?
 それとも「こんなめんどくさいことをやってるのはあの日本とウチらだけだ!」という意識も大きく(?)作用したのか?(笑)
 ※この数字を見ると、たしかに日本の免許取得に必要な時間と費用は相当なものであることはたしかですが・・・。しかし、試験場での「一発試験」が今より簡単なレベルになるのも韓国の例を見なくても問題はあるでしょうね。ちなみに一発試験の合格率は5%くらいだそうです。

 で、どれだけ簡単になったかというと・・・。
 上図は2011年の改定以前の技能試験コース。(日本人にしてみれば)まあこんなところだなと思いますが・・・。
 ところか、改定後のコース(下)を見ると、アリャリャです。


 なんだ、これは?と笑っちゃうレベル。  1.停止状態で運転装置の操作。エンジンかけ、ギアを変更し、ヘッドライトを点け、ウィンカーを動かし、ミラーを調整し、ワイパーを操作し確認します。あ、まずシートベルト着用を忘れると即アウト、ですね。
 2.走行状態で運転装置操作。突発時を想定し急ブレーキをかけます。といっても、全部で50mの距離なので、その先を左折して・・・。
 3.試験終了。アラ、もうオシマイ。S字、坂道発進、車庫入れ等々初心者が苦手とする項目は皆無です。

 では、「厳格に行う」という道路走行試験はどうなのでしょうか?
 昨年夏頃から(?)、韓国の各メディアでは「簡単すぎる免許試験」を批判的に取り上げていますが、今年1月8日の「朝鮮日報」には「目をつぶっても受かるという運転免許・・・5分の動画だけ見て技能試験'満点合格'」という記者自身の体験記事(→コチラ)がありました。その動画では「50m走行ではアクセルは踏まずにブレーキから足を離すだけでよい。下手にアクセルを踏まない方がよい」といった実戦的な方法を教えてくれたとかで、首尾よく満点合格とこと。次の筆記試験でも、スマホで模擬試験を取り込んで3回やってみた後、本番では86点で合格。30分後の発表で高得点者になっていた、とあります。そしていよいよ最後の難関の道路走行試験。5つのコースごとに15分内外の動画を視聴した後試験用乗用車に乗り込んだのは「生まれて初めての運転」とのことで「試験場を出るのに手足がぶるぶる震えた」
とは! 「アクセルとブレーキがあまりにも軽かった」という記者氏、急発進と急停車を繰り返し、結局途中で合格ラインの70点を割ってしまって不合格に。「幸いなことに脱落した」というのは本人だけの感想ではありません。
 他の韓国ブログにあった道路走行試験の図を下に貼っておきます。
 これを見ると、コースの途中には初等学校(小学校)や老人会館もあったりして、上記の記者のような未熟な運転者の車が走行するにはどうみても危険です。

 2011年の改定の年には、「朝鮮日報」も「日本で免許を取るには450万ウォンもかかるが韓国では50万ウォンですむ」とか「だから東南アジアの労働者や、時には日本人も韓国に来て免許を取る」といったことを肯定的に報道していました。(→コチラ。) ところがここに至ってメディア&世論は批判一色のようです。これを受けて
今年1月27日韓国警察庁は「初心者ドライバーの安全運転能力の向上のため」今年下半期に施行予定という「運転免許試験改善案」を発表しました。(→「東亜日報」参照。) そこで提示された試験場内技能試験のコースは下のようなものです。
 要するに、ある程度難しくなるということ。具体的には
 ①コースを300m以上に延長する。
 ②次の5つの評価項目を追加する。左右回転・信号交差点・スロープ・前進加速・直角駐車

 ・・・と、このようなニュースが伝えられた後、「免許を取るなら今のうち」とばかり多数の受験者が試験場に押し寄せているそうです。さもありなん。
 うーむ、この記事もまたちょっと深入りしすきたかも・・・。

 午前中に新しい免許証を受け取った私ヌルボ、精神的に疲れたこの日の午後、今度は体力的に疲れる所に行ってきました。というのが次の次の記事になるはずです。

★この記事をまとめる中で知った韓国と日本の普通免許の相違点(私ヌルボがちょっと興味を持った事柄)
 ○日本では、バスやタクシーなどの運転者が第二種運転免許で、その他一般の免許が第一種運転免許だが、韓国ではバスやタクシーなどの運転者の方が第一種である。
 ○視力について。日本では両目で0.7以上、・・・とだけ思っていましたが、厳密には片目でそれぞれ0.3以上で両目なら0.7以上。また片目が0.3以下でも、もう1つの目の視力が0.7以上で左右の視野が150度以上ならOKとのことです。で韓国の場合は、左右いずれかの視力が0.5以上で、もう一方の視力が0.8以上。
 ○免許の更新は日本では5年ごとだが、韓国では10年ごと! 手続きの期間は、合格(または更新)から10年後の年の1月1日~12月31日の1年間。
 ○交通違反や事故等による罰点が基準を超えると免許が取り消される。その基準は1年間120点、2年間200点、3年間270点の累積減点。ちなみに、20㎞/hを超える制限速度違反は罰点15点。血中アルコール濃度0.05%以上0.1%未満の飲酒運転は罰点100点。※日本では0.05%以上でで免許取消。
 罰点は免許更新手続とかとは関係ないのかな?(講習等)

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月19日(金)~2月21日(日)]

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 3月4~13日の<大阪アジアン映画祭>(→公式サイト)、最初の2、3日は行けるかなと思っていたら、「湾生回家」とか「私の少女時代 -Our Times-」とか、ちょっと観たかった作品が20日(土)のチケット販売開始からほんのわずかのうちに売り切れてしまい結局行かないことに。20日(土)のその時間に限って忙しい仕事があって・・・。まあ本気度が足らなかったということか。

 21日は「ディーパンの闘い」、22日は「禁じられた歌声」を観てきました。現代の世界の政治的・宗教的・社会的・文化的・地理的情況について勉強した感じ。いや、事前なり事後なりに勉強しないと理解がむずかしい映画かもしれません。しかし、知れば知るほど何も言えなくなってくるようでもあります。(たとえば「テロとの戦い」という言葉のなんと薄っぺらいことか・・・。) どちらの作品も「あの」シャルリー・エブド襲撃事件が起きたフランスで製作されていることに意味がありそう。

 ちょくちょく宣伝している私ヌルボ行きつけのシネマ・ジャック&ベティ(→公式サイト)、今週のラインナップはとくに期待作がどっさり! 全部観るとなると他のことができないし、困った困った・・・。

「朝鮮日報」2月19日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)  「ズートピア」
  皆ディズニーファンに! ★★★★
 「男たちの挽歌」
  「男のロマン」、そのすべて ★★★☆
 「東柱[ドンジュ]」
  素朴だが、軽くない作品 ★★★☆
 「リリーのすべて」
  1日でも‘私らしい’生を ★★★☆
 「デッドプール」
  暴走する主人公と笑い ★★★☆
 「「いいね!」して」
  そんなおねだりはダメ ★★
 「デッドプール」は先週の記事で、また他の5作品はすべて下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①ズートピア  9.2(68)
②東柱[ドンジュ](韓国)  9.2(308)
③リリーのすべて  9.2(46)
④内部者たち:ジ・オリジナル(韓国)  9.1(932)
⑤男たちの挽歌  9.0(305)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  9.0(1195)
⑦悪い国(韓国)  8.9(159)
⑧Love letter(日本)  8.8(776)
⑨エターナル・サンシャイン  8.7(533)
⑩アーロと少年  8.4(187)

 ①②③⑤の4作品が新登場です。
 ①「ズートピア」はディズニー・アニメ。ズートピアは動物たちの楽園、といってもハイテク文明社会なのか。そこを舞台に、夢を信じる新米ウサギ警官ジュディと夢を忘れたキツネの詐欺師ニックのコンビが難事件に立ち向かう冒険ファンタジー。日本公開は4月23日。韓国題は「주토피아」です。
 ②「東柱[ドンジュ]」については後述します。
 ③「リリーのすべて」は、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演男優賞を受賞したエディ・レッドメインが、世界で初めて男性から女性への性転換手術を受けたデンマーク人の画家リリー・エルベを演じた話題作。「彼」の妻で画家のゲルダが「彼」に女性モデルの代わりを務めるよう依頼したのがきっかけで女性として目覚めた夫アイナーは、その後リリーという名の女性として生きることとなったとか・・・。日本公開は3月18日で、もう予告編でやってますね。韓国題は「대니쉬 걸」。デニシュイゴルねー。
 ⑤「男たちの挽歌」はジョン・ウー監督、チョウ・ユンファ主演の香港映画の名作(1986年)の再上映。もう30年も経つのか・・・。韓国題は原題のままで「영웅본색(英雄本色)」です。

     【専門家による順位】

①キャロル  9.0(11)
②ヘイトフル・エイト  8.6(5)
③黒衣の刺客  8.1(6)
④暗殺の森  8.0(2)
⑤ボーダーライン  7.8(6)
⑥時をかける少女<2006年>(日本)  7.8(5)
⑦ザ・ロブスター  7.6(6)
⑦男たちの挽歌  7.6(6)
⑨アスファルト  7.5(4)
⑩東柱[ドンジュ](韓国)  7.3(6)

 ⑦「男たちの挽歌」と⑩「東柱[ドンジュ]」が新登場です。
 ⑦「男たちの挽歌」については上述しました。
 ⑩「東柱[ドンジュ]」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月19日(金)~2月21日(日)] ★★★
          SFアクション「デッドプール」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・デッドプール・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・1,063,994・・・・・・・・1,703,635 ・・・・・・・・14,370・・・・・・・1,035
2(1)・・検事外伝(韓国)・・・・・・・・・・2/03 ・・・・・・・・・・・452,185・・・・・・・・9,036,476・・・・・・・・・72,185・・・・・・・・・660
3(15)・・ズートピア・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・327,035・・・・・・・・・・419,709 ・・・・・・・・・3,210・・・・・・・・・660
4(新)・・「いいね!」して(韓国) ・・・2/17 ・・・・・・・・・・・320,419 ・・・・・・・・・476,782 ・・・・・・・・・3,740・・・・・・・・・636
5(44)・・東柱[ドンジュ](韓国) ・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・178,423 ・・・・・・・・・229,591 ・・・・・・・・・1,771・・・・・・・・・498
6(2)・・カンフーパンダ3 ・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・97,960・・・・・・・・3,896,512・・・・・・・・・30,705 ・・・・・・・・397
7(新)・・リリーのすべて・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・・・・・・・・36,259 ・・・・・・・・・・53,064 ・・・・・・・・・・・432・・・・・・・・・246
8(5)・・キャロル・・・・・・・・・・・・・・・・・2/04・・・・・・・・・・・・・18,421 ・・・・・・・・・278,897 ・・・・・・・102,318・・・・・・・・・113
9(4)・・劇場版アイカツ!(日本) ・・2/11・・・・・・・・・・・・・15,845 ・・・・・・・・・129,912・・・・・・・・・・・963・・・・・・・・・・97
10(新)・・ビリーと勇敢な野郎たち・・2/17・・・・・・・・・・・13,000 ・・・・・・・・・・22,223 ・・・・・・・・・・・154・・・・・・・・・241

     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は3・4・5・7・10位の5作品です。
 3位「ズートピア」については上述しました。
 4位「「いいね!」して」は韓国のラブコメ。3組の男女が登場します。まず、気の強い売れっ子作家チョ・キョンア(イ・ミヨン)と最高の人気を誇る韓流スターのノ・ジヌ(ユ・アイン)。2人の間にあったのか、会えば角を突き合わせています。次は、死ぬほど働いて自分の家を持つことに成功したスチュワーデスのハム・ジュラン(チェ・ジウ)ですが、肝心の自分が住む所がなくなっちゃった実質の伴わない家主。そんな彼女の家を新居として契約した男性がチョン・ソンチャンは結婚を前に花嫁に逃げられてしまい、住む家を失くした女性と愛を失くした男性が出会うことに・・・。そして3組目は、曲を発表すればチャート1位という天才作曲家イ・スホ(カン・ハヌル)。見た目と違って生まれて以来の異性交際経験ゼロの彼は、ある日出会った恋愛上手のチャン・ナヨン(イ・ソム)にどうしていいか分かりません・・・。こんないろんな恋愛の形を持つ3組の男女がそれぞれの関係の中で愛を確認してゆく姿を描いた作品ですが、共通項はFACEBOOKやTwitter等のSNSが大きな役割を果たすこと。たとえばハム・ジュランが興味のある男性にアピールするためにFacebookにイッソビリティ(있어빌리티)を操作したりなんかして・・・。あ、これは「何らかの価値(財産、能力、人脈、名声等)があるように見せる能力」という意味の新語です。原題は「좋아해줘」ですが、これを「好きになって」と訳している記事が多いようです。SARUさんはFACEBOOKの「いいね!」(韓国語で좋아요)と関連づけて<いいね!>してと訳していて、ヌルボもそれに倣いました。たぶん両方の意味をかけているのでは?
 5位「東柱[ドンジュ]」は、日本でも詩集「空と風と星と詩」(岩波文庫)で知られる尹東柱(ユン・ドンジュ)と、現在の中国吉林省で同い年で生まれ、1945年終戦の半年ほど前に福岡刑務所で共に獄死した従弟の宋夢奎(ソン・モンギュ)の2人がたどった暗い時代の青春をモノクロで描いた作品です。韓国での公開日2月17日は東柱の命日の翌日でした。原題は「동주」です。
 7位「リリーのすべて」については上述しました。
 10位「ビリーと勇敢な野郎たち」(仮)はメキシコのアニメ。農場の友だちと平和な日々を送っていた弱虫の雄鶏ビリーでしたが、ある日その農場が売られそうだという青天の霹靂のようなニュースが! 農場の持ち主がだまされかけてる? 経緯は略して、結局ビリーは農場を救うために闘鶏大会に出て百戦百勝の強豪拳王サンダーと闘うことに。そのためにまず伝説のトレーナーを見つけるために旅に出るところから・・・。はたしてビリーはチャンピオンとなって農場や友人を守ることができるだろうか?というお話。タマゴ特攻隊という連中が登場しますが、タマゴに戦闘能力はあるのでしょうか?英語題は「A rooster with many eggs」ですが韓国題は「빌리와 용감한 녀석들: 치킨 히어로」をそのまま訳して仮題としました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・キャロル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・18,421 ・・・・・・・・・・278,897 ・・・・・・・・・・2,318 ・・・・・・・・・113
2(新)・・ビリーと勇敢な野郎たち・・・・・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・・13,000・・・・・・・・・・・・22,223・・・・・・・・・・・・・154・・・・・・・・・241
3(2)・・ドレスメイカー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・・・・・1,969・・・・・・・・・・・・54,702・・・・・・・・・・・・・434・・・・・・・・・・26
4(48)・・男たちの挽歌 ・・・・・・・・・・・・・1987/5/23 ・・・・・・・・・・・・・1,513・・・・・・・・・・・・13,309・・・・・・・・・・・・・・92・・・・・・・・・・62
5(5)・・ユース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・1,050・・・・・・・・・・・・84,106・・・・・・・・・・・・・655・・・・・・・・・・12

 2位「ビリーと勇敢な野郎たち」と4位「男たちの挽歌」が新登場です。これらについては上述の通りです。

<チョウセントラの過去と現在> ①はじめに =歴史・文化・民俗・絶滅危惧種等々=

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 韓国・朝鮮に興味を持つ人にとって、チョウセントラはとくに注目のテーマのひとつでしょう。本ブログでも、2010年に関係記事(→コチラ)を書きましたが、<イザベラ・バード「朝鮮紀行」を読む>シリーズ中の記事であり、チョウセントラについての包括的な記事ではありませんでした。
 その記事が数日前からアクセスが増えているのは、おそらく<聯合ニュース>が2月22日付で「同志社にトラの剥製の返還を要請=韓国市民団体」と題したニュース(→コチラ)を報じたからと思われます。問題のトラの剥製は「朝鮮半島で大規模なトラ狩りを行った山本唯三郎が同志社大に寄贈したものとされる」とのことですが、この山本唯三郎の虎狩り(1917年)については「北朝鮮で虎狩り!」というウェブ記事(→コチラ)や、荒俣宏「奇っ怪紳士録」(平凡社ライブラリー)中の「行け行け、山本征虎軍!」に記されています。
 日本の統治期の虎狩りについては、昨2015年12月韓国で公開されたチェ・ミンシク主演の映画「大虎」でも描かれています。1925年の智異山(チリサン)を主舞台にした物語です。虎の皮に魅了された日本高官・前園(大杉漣)は、地元民たちがサングン(山君)として怖れている大虎を捕えようと日本軍と朝鮮人猟師たちをせっつきますが、大虎は容易に自らの跡を出さず、最後の手段としてすでに引退している名猟師が登場して・・・という内容です。(→参考ブログ記事。)
 もしかしたら、上記の韓国市民団体によるトラの剥製返還要請は、近年世界で進められつつある文化財返還運動の一環という側面とともに、この映画「大虎」に描かれたような、日本の統治期のもろもろに対する民族的な尊厳の回復といった面もあるのかもしれません。
 ※明治末~昭和前期の朝鮮でのトラ狩りや、木浦儒達初等学校に現存するチョウセントラの剥製等については遠藤公男「韓国の虎はなぜきえたか」(講談社.1986)に記されています。

 さて、トラをめぐる日本と韓国・朝鮮との関係はもちろん近代に始まったわけではありません。加藤清正の虎退治の話は(真偽はおくとして)多くの日本人が知るところです。「魏志倭人伝」にも「その地には牛・馬・虎・豹・羊・鵲なし」とあるように、日本列島には昔からトラはいませんでしたが、書物や絵画に古代からさまざまに記され、描かれてきました。朝鮮だけでなく、日本の民話等にも登場します。
 また、毛皮が高価で取引され、薬用としても珍重されてきた歴史もあります。(今も!?)
 このように古来日本でも縁の深い動物だったトラですが、今トラは世界的に個体数が減少し、絶滅危険度がENレベルの絶滅危惧種とされています。このままだと「近い将来に絶滅する危険性が高い」というものです。
 生物学的にはトラはネコ科ヒョウ属トラ種に属する動物で、現在は次の8つの亜種に分類されます。
 ベンガルトラ、アムールトラ、アモイトラ、バリトラ、マレートラ、ジャワトラ、スマトラトラ、カスピトラ
 で、チョウセントラはこの中のアムールトラと同じものとされています。シベリアトラ、ウスリートラともいわれ、トラ種の中では最大で、雄には3.7mに及ぶものもあるとか。しかし、今野生の個体数は約500頭とのことです。
 ※マンシュウトラといわれたこともあったようです。
 ・・・というところで、誰もが抱く疑問が「今も朝鮮半島にトラはいるの?」ということ。
 詳しくはこのシリーズでそのうち取り上げますが、韓国は「限りなくゼロに近い」のではと思われますが、北朝鮮については→コチラの記事(韓国語)によると数は少ないもののまだいることが確認されているとか。白頭山トラが数頭程度。ただしこれは2005年の記事で、その時すでに絶滅の危機に瀕している状態。その後は?というと、最近(2015年12月)の「ハンギョレ」にアムールトラセンター沿海州地域所長という肩書のロシア人の専門家が北朝鮮内に野生のトラがいるかどうか調査に入る案を推進しているとの記事(→コチラ.韓国語)がありました。「ロシアトラの雌1頭と子2頭が北朝鮮に移動した状況がある」とのことですが、まだ計画の段階かな? ということで、北朝鮮にいたとしてもごくわずかで、もしかしたらもういないかも、というのが現在の状況のようです。

 ・・・と、チョウセントラについてはさまざまな分野にまたがって興味深いネタがたくさんあります。今回は序論なのにちょっと細かく書きすぎたかも。以下、あまり(全然)体系的ではありませんが、私ヌルボの興味の赴くままに不定期連載を始めます。
 (他にも完結していないシリーズ物記事をたくさん抱えているのに・・・。)


 横浜・野毛山動物園のアムールトラ・メイメイ(1996年10月生まれ.雌) 2016年2月19日撮影
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